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栃木が17位の横浜FCに敗れ、13試合ぶり黒星。千葉に抜かれて暫定4位後退……

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[8.13 J2第24節 横浜FC2-0栃木 ニッパ球]

 J2は13日に第24節の1日目を各地で行い、横浜市のニッパツ三ツ沢球技場では17位の横浜FCと3位の栃木SCが激突した。栃木はここまで12試合負けなしと好調だったが、横浜FCが前半5分にFW難波宏明の今季初ゴールで先制すると、リズムをつかんだ。栃木は後半途中に退場者を出してしまい、苦しい展開。結局、横浜FCが2-0で勝利した。栃木は5月22日の愛媛戦以来13試合ぶりの黒星で、千葉に抜かれて暫定4位に後退した。

 横浜FCは4-4-2を採用。GKは関憲太郎、DFラインは右から柳沢将之、朴台洪、中野洋司、宮崎智彦。ダブルボランチは藤田優人と高地系治が組み、2列目は右に荒堀謙次、左に野崎陽介が入った。2トップはカイオと難波宏明が組んだ。

 対する栃木はエースFWリカルド・ロボが出場停止で不在だった。システムは4-4-2でGKは武田博行、DFラインは右から赤井秀行、大久保裕樹、大和田真史、入江利和。ダブルボランチはパウリーニョと落合正幸が組み、2列目は右に水沼宏太、左に杉本真が入った。2トップはサビアと廣瀬浩二が組んだ。

 17位の横浜FCと3位の栃木の一戦。しかし、成績通りにはいかなかった。立ち上がりから横浜FCが積極的なプレスでリズムをつかみ、そして前半5分、先制に成功した。PA内左に難波が進入し、後方から走り込んできた味方にパス。これは栃木DFにカットされたが、PA内左のこぼれ球を野崎が拾って縦に仕掛けてクロス。これに難波宏明が合わせてゴールネットを揺らした。背番号「9」の今季初ゴールで1-0リード奪った。

 その後も横浜FCが主導権を握る。前半15分、PA右やや遠目のFKで、高地が左足で入れると、ファーサイドで難波が頭を合わせた。これは相手DFに挟まれて思うようにコントロールできなかったが、見せ場を作った。

 栃木は2トップにいい形でボールが入らず、バイタルエリアを攻略することができない。前半23分には右サイドで、パウリーニョの縦パスを杉本がPA内右で受けて右足シュート。これはわずかに左に外れた。前半37分、横浜FCがチャンスを作った。右サイドからのクロスにカイオがヘディングシュート。うまく飛び込んだが、決めきれなかった。

 前半終盤、栃木がチャンスを作った。まずは同43分、左サイドを攻め上がり、最後は廣瀬が中央へ。これをサビアが受けて右足を振り抜いたが、DFに挟まれてジャストミートできなかった。その1分後にはPA左で水沼が右足ミドルシュート。カーブをかけて狙ったが、わずかに右に外れた。前半は横浜FCの1-0で折り返した。

 後半立ち上がり、栃木が連続してチャンスを迎えた。同3分、中央のサビアがキープから右サイドを駆け上がった赤井にサイドチェンジのパス。赤井は低く速いクロスをDFとGKの間に入れた。触れば1点と質のボールだったが、誰も合わせられなかった。

 後半5分、廣瀬に代えてMF河原和寿を投入。そして同7分に決定機を作った。左サイドからのクロスをサビアがヘディングシュート。うまく合わせたが、わずかに右に外れた。その後も栃木が猛攻を仕掛ける。同14分、入江の左クロスに、水沼がニアサイドに飛び込んだ。しかし、これは頭ではなく、体に当たって枠を外れた。

 流れを奪い返したい横浜FCは後半18分、難波に代えて185cmの長身FW藤田祥史を送り出した。そして同23分、セットプレーから見せ場を作った。左からのキックに、ファーサイドで藤田が得意のヘディングシュート。しかし、これま前の朴とかぶったこともあり、枠を外した。だが、藤田の高さは脅威となった。

 後半29分、栃木に最悪の事態が訪れた。落合正幸がボールをキープしようとした藤田をスライディングで倒し、2枚目の警告を受けて退場となってしまった。ボランチという要を欠いた栃木は同32分、杉本に代えてMF鈴木修人を投入した。

 それでも栃木は同点を目指して必死に攻めた。鈴木のパスセンス、水沼の突破を活かしてゴールを目指した。後半39分、横浜FCは野崎に代えてFW三浦知良を投入。経験豊富なベテランを入れて試合を落ち着かせ、逃げ切ろうとした。栃木は同40分、赤井に代えてDF渡部博文を送り出した。横浜FCは同43分、柳沢に代えてDF渡邉将基を入れた。

 後半43分、栃木が決定機を迎えた。PA右サイドで得たFK。鈴木の高精度のキックにファーサイドでサビアが頭を合わせた。枠を捉えていたが、GK関のセーブでCKに逃げられた。その1分後、栃木はCKの攻め残りでゴール前に残っていた大和田に縦パス。PA内左で大和田は横浜FC選手に倒されたように見えたが、笛は鳴らず。栃木イレブンはもちろん、松田浩監督も激怒しアピールしたが、判定はくつがえらなかった。

 ロスタイムは5分の表示。後半46分、横浜FCが大きな追加点を奪った。右サイドでボールを受けた藤田優人がドリブルで突破して中央へラストパス。これをカイオが左足で流し込み、2-0と試合を決めるゴールを決めた。栃木はその後も諦めずに戦ったが、ゴールは奪えず。横浜FCが2トップのゴールで今季2度目の連勝をつかんだ。

(取材・文 近藤安弘)

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