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選手層に不安残したなでしこ、「だれが出ても大丈夫な状況に」

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[8・19 東日本大震災復興支援チャリティーマッチ なでしこジャパン3-2なでしこリーグ選抜 国立]

 五輪予選へ収穫と課題を手にした。なでしこリーグ選抜とのチャリティーマッチ。女子W杯で世界一に輝いたなでしこジャパンの“凱旋試合”には、雨が降る悪天候の中、2万2049人の観衆が詰めかけた。

「聖地・国立競技場に雨の中、2万人を超えるサポーターの方が応援に来てくれて、非常にいい強化試合になった」。佐々木則夫監督は「前半は現在のベストメンバーで臨み、ボールを支配しながら仕掛けることもできたし、展開の速いサッカーができた」と、シュート数でも9対3と相手を圧倒し3-0で折り返した前半45分間の試合内容に手応えを口にした。

 一方、メンバーを入れ替えた後半はまったく異なる試合展開になり、2失点。最終的に3-2まで追い上げられた。シュート数も4対8。高い位置からのプレスなど連動した守備ができず、運動量も上がらなかった。この日はFW安藤梢、永里優季、DF鮫島彩、DF熊谷紗希の海外組4人が不在。さらに後半からは9月1日のロンドン五輪アジア最終予選初戦・タイ戦が出場停止となるDF岩清水梓をベンチに下げたが、守備の不安を露呈する結果となった。

 五輪予選は9月1~11日までの11日間で5試合をこなす過密日程。連戦による疲労やケガ、出場停止など不測の事態を考えれば、5試合すべてを同じメンバーで戦うことは難しい。主力組と控え組の差を埋め、チーム力を底上げしていくことは、本番までの限られた時間で急務と言えるだろう。

 それでもMF澤穂希は「五輪予選は全員が必要だし、全員が出ないと勝てない。今日、全員がピッチに立てたのはよかった」と前向きに言った。チームはこの日いったん解散。2日間のオフを挟み、22日に岡山県内に集合し、五輪予選に向けた事前合宿をスタートさせる。佐々木監督は「メンバーを入れ替えても十分できるように、これから準備を図りたい。途中から出た選手にとっては今日が一番プレッシャーのかかる場面だった。それを経験して、次の岡山合宿でコンビネーションを磨いていきたい。もともとスキルは持っている選手たち。慌てずにだれが出ても大丈夫な状況にしたい」と力を込めていた。

[写真]選手層に不安を残した佐々木監督

(取材・文 西山紘平)

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