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「CBのテスト」だった後半に2失点、岩清水不在の五輪予選初戦へ不安拭えず

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[8・19 東日本大震災復興支援チャリティーマッチ なでしこジャパン3-2なでしこリーグ選抜 国立]

 テストは“失敗”に終わった。9月1日のロンドン五輪アジア最終予選初戦・タイ戦は、女子W杯決勝で退場した影響でDF岩清水梓が出場停止。その“代役探し”が重要なテーマだったが、後半に2失点を喫し、不安を解消することはできなかった。

 CBでフル出場したDF田中明日菜は「前半できていたことが後半できなかった。疲れてきてプレッシングがかからなくなって、守備の時間が長くなった」と唇をかむ。この日は海外組のDF鮫島彩(ボストン・ブレイカーズ)、DF熊谷紗希(フランクフルト)も不在。左SBでDF矢野喬子が先発し、前半は田中と岩清水がCBを組んだ。そして後半は岩清水がベンチに下がり、矢野がCBに回った。五輪予選に熊谷は間に合うが、その“相棒”となるCB候補はともにアピール成功とはいかなかった。

 佐々木則夫監督は「後半はCBのテストということで田中と矢野を組ませたが、田中はなかなかリスク管理ができない状況で突破される場面もあった。前線からの連動した守備もできず、相手にイニシアチブを取られた」と厳しい口調で言った。最終ラインの背後のスペースを何度も突かれてピンチを招き、0-3の後半4分に1点を返されると、後半ロスタイムには矢野がPA内でファウルを犯し、PKで1点差に追い上げられた。

 田中は「裏は警戒していたけど、相手が足元と裏を使い分けるのがうまくてプレッシャーのところで狙えなかった。課題が見つかってよかった」と前を向く。右SBのDF近賀ゆかりは「イワシ(岩清水)がいないからダメとなったら、日本が弱いということになってしまう。もっと連係を取って全体でやっていかないと」と気を引き締めていた。

[写真]なでしこL選抜に2失点し、不安を残した日本女子守備陣

(取材・文 西山紘平)

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