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なでしこジャパン、チャリティーマッチ後の選手コメント

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[8・19 東日本大震災復興支援チャリティーマッチ なでしこジャパン3-2なでしこリーグ選抜 国立]

 東日本大震災復興支援チャリティーマッチが19日に東京・国立競技場で行われ、来月からロンドン五輪アジア最終予選を戦うなでしこジャパンとなでしこリーグ選抜が対戦した。世界一に輝いた女子W杯ドイツ大会後の凱旋試合となった一戦には22049人の観客が集まり、なでしこジャパンが3-2で勝利した。以下、試合後の選手コメント

●MF川澄奈穂美(INAC神戸)
「前半はFW、相手があまり来なかったときは1.5列目のようなポジションで裏を狙った。後半はリズムが悪くなっていって、もっと裏に飛び出して仕掛けていければよかった」
―丸山選手とは初の2トップだったが?
「お互いに意識して見ていようねと言っていた。問題なくできた。これからもっと慣れていけたらいいなと思う」
―後半流れが悪くなってしまったのは海外組不在の影響も?
「チームのコンセプトはどの選手が出ても変わらない。チーム全体として問題があったということだと思う。相手が後半に入ってやり方を変えてきた。チャリティーマッチだったが、相手は本気で来てくれていたし、もちろん自分たちも勝ちにいく姿勢でやっていた。リトリートしてくる相手の崩し方や間延びしてしまっている時間帯をどう戦っていくかが大事」
―得点はW杯のスウェーデン戦以来となるが?
「丸山選手からいいボールが来た。自分としてはいい形で決めることができて良かった。ゴールを決めることができて次への自信になった。W杯後のリーグ戦3試合ではたくさんお客さんが来てくれていたのに、ゴールを決めることができなかった。きょうは(テレビ)中継もあるなかで、得点も取れてよかった」
―国立競技場でたくさんの観客が入っていたが。
「大学生のときの自分からしたら、今の自分は夢のような状況。それでも今の自分からしたら、やるべき状況だと思う。しっかりとやっていかないといけない」

●FW丸山桂里奈(ジェフ千葉)
「今日の自分の出来はあまり良くなかった。アシストできたのは良かったけど。良くなかったのはボールの受け方」
―過密スケジュールだが?
「体力的にも精神的にもきつくなるが、W杯のときのようにチームが一つになれば勝てる」

●MF澤穂希(INAC神戸)
―8分間で3点を取ったが?
「早い時間帯で点が取れたのはよかった。回すところは回せていたけど、失点とか危ない場面は自分たちのミスからが多かった。五輪予選は日程が厳しくなるし、グラウンドも日本みたいにいいとは思えない。今日のような雨でスリッピーなコンディションでも、もっと質を上げないといけない。それが今日の試合で分かって、いい意味で課題が出てよかった」
―今日は女子W杯で控えだった選手も数多くプレーしたが?
「五輪予選は5連戦が続く。全員が必要だし、全員が出ないと勝てない。今日、全員がピッチに立てたのはよかった」
―初戦のタイ戦が出場停止の岩清水選手をベンチに下げた後半に2失点したが?
「裏にどんどん抜かれる場面が多かった。そこはイワシ(岩清水)がいなくてもしっかりやらないといけない。岡山(合宿)でやっていくと思うし、だれが代わりに出るか分からないけど、イワシの分までがんばってほしい」

●MF宮間あや(岡山湯郷)
―試合を振り返って。
「組み合わせとして初めての選手もいて、なかなかうまくいかなかった。あのメンバーでいくにはもう少し時間が必要だと思う。まだまだだけど、今日の試合も悪いことだけじゃない。もう一度、チームのコンビネーションを深めたい」
―五輪予選の事前合宿は岡山で行われるが?
「いつもお世話になっている場所での合宿だけど、あまり意識せず、大事な五輪予選の事前合宿だし、それだけに集中してやりたい」

●MF阪口夢穂(新潟レディース)
―ゴールシーンは?
「たまたまです。GKが私と同じチームの選手なので、私にプレゼントしてくれたんだと思います(笑)。タッキーゴールでした」
―試合を振り返って?
「課題の方が多かった。リーグ選抜の方が勢いがあったし、やられた感がある。チームの持ち味は守備から攻撃への切り替えの部分。前線から守備にいけなくなったのが原因だと思う」

●DF近賀ゆかり(INAC神戸)
「自分たちがリズムをつくれない時間帯、劣勢なときに失点をしてしまい、反省の残る試合。気の引き締まる試合ができた。チャリティーマッチだったがいい経験になった」
―先制点の場面は?
「たまたまです。宮間選手がいいボールを入れてくれたので。まさか自分が最初に決めるとは思わなかった(笑)」
―失点シーンは?
「裏を狙われていたのは分かっていたが、相手は後半スピードのある選手を入れてきた。もっと連携を取って守らないといけない」
―ロンドン五輪アジア最終予選のタイ戦では岩清水選手が出場停止だが?
「岩清水がいないからダメというふうになると、日本が弱いということになってしまう。もっと連携を取って、全体でやらないといけない」

●DF田中明日菜(INAC神戸)
「前半できていたことが後半できなかった。疲れてきてプレッシングがかからなくなって、守備の時間が長くなった」
―相手は裏を狙ってきていたが?
「裏は警戒していたけど、相手が足元と裏を使い分けるのがうまくてプレッシャーのところで狙えなかった。課題が見つかってよかった」
―岡山合宿で確認したいことは?
「ビルドアップとか自分の持ち味を出すのも大事だけど、守備で課題が多いので、そこを一つずつ克服していきたい」

●DF矢野喬子(浦和レッズ)
「左SBで出た前半は相手に攻められた回数が少なかったので、DF面では評価がないが、攻撃面で上がれたのは良かった。W杯で試合に絡めなく、悔しい思いをしたので今日はアピールしないといけないと思っていた」
―立ち上がり7分に敵陣を深くえぐってクロスを上げたが?
「自分は攻撃が得意ではないので、チャンスのときにどれだけ上がっていけるかが課題。そのプレーは良かったと思う。ただ、とても緊張した」
―相手の右SBは浦和のチームメイトの土橋だったが?
「チームでは紅白戦でも戦ったことがないので、新鮮だったり、難しかったりした。試合前に『同じサイドだね』という話はしていた」
―後半はCBでプレーした。五輪予選の初戦は岩清水が出場停止だが、それも踏まえて自己評価は?
「今日のプレーでは私はまだまだ試合に出られないと思う。弱い部分を見つめ直して、岡山合宿からもう一度鍛えたい。弱い部分とは、高さと予測」
―最後にPKを与えてしまったプレーは?
「自分でもファウルをしたのが分からなかったので、審判に聞いたら『手を使った』と言われた」
―SBとCB、どちらで勝負したいと考えている?
「本職はCBだが、代表ではずっと左サイドでやっているので、どっちがいいというのはない」
―五輪予選は中国での厳しい戦いになる。
「私たちは中国でのアウェー戦は慣れている。ブーイングが力になる。ただ、タイも以前は大差で勝っていたが、最近は力をつけているし、オーストラリアはアジアの体格ではない。北朝鮮も強い。その中でレギュラー争いに入れるように練習からしっかりやっていきたい」

●GK海堀あゆみ(INAC神戸)
「W杯と変わらずにやるということだけを心がけていた」
―五輪予選へ向けては?
「とにかくやるしかないと思う。ここから日々努力していきたい。なでしこらしさというのを改めて確認して、ひたむきに頑張っていきたい」
―4バックに海外組の選手がいなかったが?
「この前のW杯で出られなかった人が出ても問題なく変わらずできているのが、なでしこのいいところだと思う」
―田中明日菜選手との連係は?
「チームでもやっているので問題はないし、代表でも同じようにできていたと思う」
―五輪予選は中国での完全アウェーとなるが?
「アウェーで難しい試合になるとは思うが、そこに左右されないようにアウェー感を楽しみたい」

●FW高瀬愛実(INAC神戸)
「短い時間で難しさはあったが、やりきるぞという思いで試合に出た。もっと前でボールを受けられたら良かったと思う。W杯でも課題が見つかったように、今日も五輪予選へ向けての課題が見つかった」
―課題とは?
「W杯のカリナさん(丸山)やブッチー(岩渕)のように、自分は変化をつけることができなかった。低い位置でボールを受けたときに起点になるのが自分の持ち味だが、なかなかそれができなかった。ここから五輪予選へ向けて成長できたらと思う」

(取材・文 片岡涼、西山紘平、矢内由美子)

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