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[SBSカップ]U-18代表の逸材MF熊谷アンドリュー、連勝も「納得いかない」

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[8・20 SBSカップ国際ユースサッカー U-18日本代表1-0 U-18オーストラリア代表 草薙陸]

「この2試合は自分としては納得いかない。ボールに絡んでゲームつくりたい」。U-18日本代表のゲームメーカーは1-0の勝利にも苦笑いを浮かべるだけだった。MF熊谷アンドリュー(横浜F・マリノスユース)は18日のU-18メキシコ代表戦に続き、2試合連続でダブルボランチの一角として先発。序盤からMF荒野拓馬(コンサドーレ札幌U-18)とともに中盤でゲームをつくると、16分には右サイドからオーバーラップしたSB松原健にスルーパスを通したほか、メキシコ戦ではわずかだったラストパスなど積極的にゴールへ向かう姿勢を見せる。

 ただ「オーストラリアは中盤3枚で、中途半端にいい位置にいた。おかげでボランチ2枚で彼らを見なければならなくなってしまった。体力だけが減った感じだった」。数的不利に陥った中盤でセカンドボールを支配されるなど劣勢に陥ると、相手のボール回しの前に走らされて体力をもぎ取られてしまう。それでも局面で強さを発揮するなど苦しい時間を乗り越えると後半はカウンターの起点になるなど、後半33分までのプレーで1-0の勝利に貢献した。

 中盤の底の位置でボールに絡み、柔らかいボールタッチから繰り出される正確な縦パス、サイドへの展開などで存在感を放つスリランカ系の大型MF。高校1年時にレギュラーとして横浜FMユースの全日本ユース選手権優勝に貢献し、また各年代の日本代表にも招集されてきた。まだ安定感に欠ける場面もあるが、圧倒的な個を武器に中盤中央で違いを示す存在だ。

 ただメキシコ、オーストラリアに連勝したチームに貢献しているものの、誰もが認める潜在能力を発揮しきれているかというと本人の言葉にもあるようにまだまだ。SBSカップ後の22日から行われるカタール遠征にも参加するMFは、ここでさらに自分の力を発揮し、U-20W杯を狙うチームを1ランク上のレベルへ引き上げる。

(取材・文 吉田太郎)

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