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[SBSカップ]「この時のために取っていた」石毛がU-18代表から劇的V弾

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[8・21 SBSカップ国際ユースサッカー U-18日本代表1-2静岡ユース エコパ]

 U-17W杯のヒーローが、静岡ユースに歓喜の優勝をもたらした。1-1の後半ロスタイム、静岡はMF風間宏矢主将(清水商高)が右サイドのMF石毛秀樹(清水エスパルスユース)へ絶妙なパス。これでフリーとなった石毛が「自分が決めるつもりだった。ゴロでファーサイドへ振りぬくというところを狙っていた」と右足を振りぬくと、強烈なグラウンダーの一撃はU-18代表GK櫛引政敏(清水)を破り、そのまま逆サイドのゴールネットへと突き刺さった。

 目の覚めるような強烈なシュート。これは試合を決めるときのために取っていた。この日試合は後半36分に激しい雷雨のために約7分間中断。再開を待つ時間に石毛はGK福島春樹(静岡学園高)から声をかけられた。「オマエ打ってないじゃん」。確かに、U-17W杯では2ゴールを決めてチームを8強へ導いたアタッカーは試合序盤にシュート2本を放った後、シュートにまで持ち込むことができていなかった。ただ「中断明けのために取ってるから」と先輩GKに言い返したMFはその言葉通りに劇的な一撃で試合を決めて見せた。

「負けたくない」と言う気持ちも厳しい一戦を勝利に変えた。相手にはMF深井一希やDF植田直通らU-17W杯のチームメートがいた。「(U-18代表には)ワールドカップにいったヤツもいて。特に深井は相手のキーマンを潰していたし、負けたくないと思っていた」。引き分けでも勝ち点差で静岡は準優勝に終わるところだった。だが土壇場で決めた決勝ゴールによってかつてのチームメートたちから優勝を奪うことに成功した。

 U-17W杯準々決勝でブラジルに負けた直後から石毛の視線はU-18代表入り、そしてU-20W杯出場へと向けられている。「世界でサッカーをしたい。アジア予選を経験したいし、(U-18代表に)入りたい」と意気込む。そのためには「この大会は簡単にボールを奪われることが多かった。(U-18の熊谷)アンドリューくんのように奪われない選手に。石毛に出したら奪われないと言われる選手になりたい」。U-18日本代表を沈める決勝弾でU-18代表の吉田靖監督に「(U-18代表の)大枠に入っている」と言わしめた石毛が、これからの更なる活躍によってひとつ上の世代の代表にステップアップする。

(取材・文 吉田太郎)

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