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17戦ぶり敗戦から中3日、名古屋が「メンタル的に試された試合」で逆転勝利

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[8.24 J1第23節 川崎F1-2名古屋 等々力]

 王者として連敗は許されなかった。名古屋グランパスは2-1の逆転勝利で3試合ぶりの勝ち点3を手にし、2位に順位を上げた。前節20日の仙台戦は0-1の敗戦で無敗記録が16試合でストップし、首位からも陥落。仕切り直しの一戦は、先制される苦しい展開から、わずか4分間で逆転した。

「先制点を取られ、メンタル的に試された試合だった」。ストイコビッチ監督は試合をそう振り返ると、「逆転して勝つのは難しいこと。メンタルの強さが証明されたと思うし、前節は仙台に負けていた。ああいう『サプライズ』を起こさせまいという強いリアクションが見えた」と選手たちを称えた。

 DF田中マルクス闘莉王も「前節、情けない試合をしてしまって、どうしても勝たなきゃいけない試合だった。勝てて良かった」と胸をなで下ろす。後半21分に先制点を許す苦しい展開だったが、エースの2発であっという間に試合をひっくり返した。

 後半30分、FWケネディのPKで同点に追い付くと、その3分後だった。MF藤本淳吾の左クロスを194cmの長身FWが打点の高いヘディングでとらえ、勝ち越し弾。得点ランキングトップを快走する今季13得点目が決勝点となった。

「タフな試合だった。前回負けていたので勝ちたかった。ストライカーの仕事はゴールだが、チームとして戦った結果であり、チーム全体の勝利だと思っている」。殊勲の2発にも謙虚な姿勢を崩さないケネディは「勝ち点3が至上命令だった。それが取れたのはよかった」と、自分のゴールよりもチームの勝利を喜んでいた。

 連戦の中、仙台戦で“温存”されたDF阿部翔平、MF中村直志、MFブルザノビッチが2試合ぶりに先発。先制された直後の後半26分には藤本、FW永井謙佑という攻撃的なカードを2枚切り、攻撃のギアを上げた。永井は同点PKにつながる突破を見せ、藤本は決勝点をアシスト。他チームの追随を許さない選手層の厚さに、ストイコビッチ監督の采配もズバリ当たった。

 次節も中3日で甲府戦。その後は日本代表のW杯アジア3次予選のため2週間のインターバルが入る。「次はホーム戦なので勝ち点3を取りたい。連勝を目指したい」とケネディ。過密日程の最後を連勝で締めくくり、終盤のラストスパートにつなげる。

[写真]勝利に歓喜するストイコビッチ監督

(取材・文 西山紘平)

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