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C大阪の18歳・杉本がJ初ゴール、「ここからだと思う」

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[8.24 J1第23節 横浜FM2-1C大阪 ニッパ球]

 期待の星がまたひとつ“エースへの関門”をクリアした。セレッソ大阪のU-22日本代表FW杉本健勇が、24日の横浜FM戦でJ初ゴールを決めた。0-2の後半14分、PA内左でMF清武弘嗣のパスを受け、鋭い反転から右足グラウンダーでゴールネットに突き刺した。

 自身の記念弾になるとともに、視察に訪れたU-22日本代表の関塚隆監督に、代表生き残りをアピールする一撃となった。クルピ監督は「FWとしてやるべき仕事をやってくれた。今日、しっかりと結果を出せたことは若い選手なので自信になる」と讃えたが、本人は試合に1-2で敗れて4戦連続勝ち星なし(2分2敗)となったため、試合後にはまったく笑顔を見せなかった。

「コースが開いていたので、思い切り振り抜きました。途中から出て点を決められて、自分にとっては次につながる試合だった」と振り返ったが、表情は硬いまま。それよりも、先発落ちしたことの悔しさ、不甲斐なさの思いが先にあった。そして大先輩がそうしたように、自分もチームの“救世主”になりたい思いのほうが強かった。

「(前節は)先発で出られたのは良かったけど、シュートチャンスがあったのに決められなかった。シュートの数も多くなかった。後半の途中に交代になって、代わりに出た播戸さんがハットトリック。あれは刺激になりました」

 前節の清水戦(3-3△)で、リーグ戦4試合目でJ初先発をつかんだ杉本だが、いいところをあまり見せられず、無得点のまま後半28分に元日本代表FW播戸竜二と交代した。その大先輩が何とハットトリックと大暴れした。横浜FM戦は播戸が先発を果たし、杉本はベンチスタートになった。

 悔しい思いで、ベンチで試合を見守った中、この日は後半13分からMF山口螢と代わり途中出場した。“播戸さんのように、自分も-”と描いていたが、登場からわずか1分後、ゴールを決めてみせた。その後、同点に導く事は出来ず、無念の言葉を並べたが、杉本のゴールでC大阪は勢いづき、押し込む時間が増えた。タラレバはいけないかもしれないが、清武が怪我で後半30分に交代しなければ、もう一度、杉本にビッグチャンスが来ていたかもしれない。

「2点目も取れたと思う。もっともっとゴールに絡む姿勢を見せられたら良かったと思う。Jリーグ初ゴールを決められたけど、でも、ここからだと思う。ゴールを狙う姿勢を常に出していきたい」と杉本。まだ18歳ながら、責任あふれる言葉が随所に飛び出した。J初ゴールはあくまで通過点-。それよりも、チームを勝たせるゴールを-。若きストライカーはさらなる高みを目指す。

(取材・文 近藤安弘)

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