beacon

[なでしこ]世界女王としてアジアに挑む!!ロンドン五輪アジア最終予選プレビュー

このエントリーをはてなブックマークに追加

 なでしこジャパンがアジアに挑む!! 7月の女子W杯ドイツ大会で世界一に輝いた日本女子代表は、9月1日から中国・済南で行われるロンドン五輪アジア最終予選に臨む。岡山県美作市での事前合宿を終え、28日に中国山東省の済南へ移動。29日からはさっそく現地でトレーニングを行い、短期決戦に備える。

 世界女王として3大会連続4度目の五輪出場を目指す日本だが、アジアでの戦いは決して甘くない。日本、韓国、オーストラリア、北朝鮮、中国、タイの6ヵ国が総当たりで対戦し、上位2チームのみが12年に行われる本大会への切符を手にする厳しい戦いだ。なかでも11日間での5連戦という過密日程は総力戦を強いられる。

 日本は女子W杯ドイツ大会の優勝メンバーから故障の影響でGK山郷のぞみとFW岩渕真奈が外れ、代わりにFW永里優季の実妹であるFW永里亜紗乃を加えた20人で大会に臨む。唯一の新戦力の永里亜について佐々木則夫監督は「W杯に行く前から視察していたが、永里亜紗乃のコンディションが非常に良かった。そういったところでは岩渕にひけを取らない選手」と説明。新たな戦力がなでしこジャパンにフレッシュな風を吹き込む。

 FIFAランク4位の日本は、1日に行われる初戦で同28位のタイと対戦。女子W杯決勝で退場した影響でDF岩清水梓が出場停止となるため、DF熊谷紗希とCBのコンビを組むのは誰になるのかが注目される。大会前最後の強化試合となった、なでしこリーグ選抜とのチャリティーマッチでは熊谷が不在だったため、DF田中明日菜が先発フル出場し、岩清水とCBを組んだ。後半からは岩清水に代わり、DF矢野喬子が田中とCBを組んだ。しかし“CBテスト”として臨んだ後半に2失点。本大会へ向けて不安を残した。しかし、チャリティーマッチ後の岡山合宿で幾度も紅白戦を行い、改めて連係を確認。DF近賀ゆかりが「イワシ(岩清水)がいないからダメとなったら、日本が弱いということになってしまうもっと連係を取って全体でやっていかないと」と話したように、主力DF不在の状況でも全員守備で守りきり、しっかりと勝ち星を手に入れるつもりだ。

 3日の第2戦ではFIFAランク16位の韓国、5日の第3戦では同9位のオーストラリアと、強豪国と中1日での連戦が続く。オーストラリアは女子W杯ドイツ大会でも準々決勝に進出している強敵だ。パワーを武器に押し込んでくる相手との厳しい戦いが予想される。この一戦が事実上の天王山となるだけに、オーストラリア戦まで、いかに疲労を蓄積させず、故障者を出さずに戦い抜くかも重要となってきそうだ。

 第3戦のあとは中2日での2連戦となり、8日に同ランク12位の北朝鮮と対戦。日本が初めてアジア制覇を果たした昨年11月のアジア競技大会決勝以来の顔合わせとなる。当時は岩清水のゴールで1-0で勝利し、アジアの頂点に立った。その再現を果たしたい。なお、北朝鮮代表はグループリーグで敗退した女子W杯ドイツ大会のドーピング検査でステロイド(筋肉増強剤)に5選手が陽性反応を示した。その結果、FIFAからの裁定を受け、該当5選手が今回のロンドン五輪アジア最終予選には出場できない。主力5選手不在の状況は、日本にとって間違いなく追い風となる。

 11日の最終戦で対戦するのが同15位の開催国・中国だ。完全アウェーでの戦いが予想されるが、守護神のGK海堀あゆみは「アウェーで難しい試合になるとは思うが、そこに左右されないようにアウェー感を楽しみたい」と前向きにコメント。MF川澄奈穂美も「これまで何度も中国で大会をやってきたので不安はないです」と気にするそぶりはない。

 女子W杯ドイツ大会の帰国会見で多くの選手が優勝の喜びを話すよりも、次の目標であるロンドン五輪予選への意気込みを語っていた。MF澤穂希主将も「来年のロンドンオリンピックで金メダルを取るのが今の目標」と力を込める。その目標を勝ち取るためにも、まずはアジアで世界女王の力を示し、必ず3大会連続4度目の五輪切符を手にするつもりだ。

▼関連リンク
ロンドン五輪女子アジア最終予選特集ページ

TOP