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ほろ苦いバースデーゲーム…434日ぶり先発の阿部は前半で交代

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[9.6 W杯アジア3次予選 ウズベキスタン1-1日本 タシケント]

 バースデーゲームはほろ苦かった。この日が30歳の誕生日だった日本代表MF阿部勇樹(レスター・シティ)。昨年6月29日の南アフリカW杯決勝トーナメント1回戦・パラグアイ戦以来、434日ぶりの先発出場を果たしたが、前半45分間の出場で交代となった。

 MF遠藤保仁とのダブルボランチで先発し、4-2-3-1のトップ下にはMF長谷部誠が入った。ザッケローニ監督は「厳しい試合になるので、経験ある選手を配置しようと思った」と、阿部の先発起用の理由を明かしたが、練習でも試していない急造布陣で勝てるほどウズベキスタンは甘くなかった。

「今日のミーティングで(先発を)言われた」という阿部は「守備でのボールの取りどころ、周りとの呼吸のところでうまく試合に入り切れなかった」とうなだれる。2トップの一角であるFWゲインリフが左サイドに張ったり、中盤に下りてくるなど自由に動き、チームとして抑えきれなかった。さらにダブルボランチのMFハイダロフ、MFアフメドフも積極的にドリブルで仕掛けてくるなど日本の守備は後手に回った。

「15番(ゲインリフ)がフリーになっていた。ちょっと下がって縦の関係だった」。前半28分、ベンチからの指示で阿部がアンカーの位置に下がり、その前方に長谷部と遠藤が位置する4-1-4-1にシステムを変更。指揮官からは「前に上がっていけ」と指示を受けたというが、「15番がずっといたので……」と守備への対応に追われ、最後まで自分のリズムをつかめなかった。

 結局、ハーフタイムに交代。悔しいバースデーゲームとなり、「前は早く年を取りたいと思っていたけど、最近は誕生日が来てもうれしくないから」と苦笑いしながらも「うまくやれてたらもっとよかった」と悔しさをのぞかせた。「メンバーが変わった中でもやっていかないといけない。どんな緊急事態でもやっていかないと」。本田の穴をどう埋めていくか。試行錯誤の続くザックジャパン。チャンスを生かせなかった阿部の表情は最後まで晴れなかった。

(取材・文 西山紘平)

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