beacon

ブーイングが大歓声に!C大阪が0-3から大逆転勝利

このエントリーをはてなブックマークに追加
[9・10 J1第25節 C大阪5-4広島 長居]

 前半終了時のブーイングは歓喜の大歓声に変わっていた。セレッソ大阪は3点ビハインドをひっくり返して後半だけで5ゴールを叩き込む大逆転劇。交代出場で今季2度目のハットトリックを達成したFW播戸竜二も試合後のインタビューで「逆転することしか考えていなかった。チームが勝てたことがうれしい。(ハットトリックは)2度とは言わず、3度4度できればいい」と興奮した表情で語っていた。

 前半8分にDF茂庭照幸が腰部を痛めて負傷退場してしまう緊急事態。守備の柱を欠いたことが影響したのか、ディフェンスが乱れ、中盤で全くプレッシャーをかけられないチームは、ミスも重なり前半だけで3点のリードを奪われてしまう。前半22分、相手の右クロスが、判断を誤って飛び出したGKキム・ジンヒョンの逆を突いてそのままゴールへ吸い込まれてしまう痛恨の失点。同33分、44分には最終ラインが競り負け、またギャップを個人で突破されて失点してしまう。0-3で前半を折り返す展開にスタンドからは大ブーイング。この試合はおろか、5日後の14日に迫っているAFCチャンピオンズリーグ準々決勝・全北現代(韓国)戦第1戦も不安がよぎる展開だった。

 だが「目を覚ませ! 後半、立ち上がりから逆転を信じて、一人ひとりが最大のパフォーマンスを見せろ」という強烈なゲキとともに後半開始からFW播戸竜二とMFキム・ボギョンを同時投入し、45分間を残して交代枠を使い切ったレヴィー・クルピ監督の思い切った采配がチームを変える。後半1分、日本代表MF清武弘嗣が右中間から放った左足シュートが、DFを弾いてゴールへ吸い込まれる追撃ゴール。さらに10分には左SB丸橋祐介の左クロスを中央の播戸が頭で合わせて1点差へ迫る。

 そして12分、再び左クロスに走りこんだ播戸が頭で同点ゴール。わずか12分間で同点に追いつき、完全に形勢を逆転したC大阪は27分、サポーターにさらなる歓喜をもたらした。MF倉田秋のドリブル突破からキム・ボギョン、清武とつないで右サイドを攻略すると、清武の右クロスをPAで受けた播戸が後方へ落とす。PAアークへ飛び込んできたキム・ボギョンが左足シュートを放つと、DFに当たったボールはGKの目前でコースが変わり、そのままゴールへ突き刺さった。

 止まらないC大阪はさらに32分、カウンターから清武が中央を独走。右サイドを駆け上がった右SB酒本憲幸へ展開すると、酒本の絶妙なラストパスに走り込んだ播戸が三度ゴールネットを揺らしてハットトリックを達成した。

 広島の猛追撃の前に1点差に迫られたものの「勝ち切るのと勝ち切れないのとは全然違う」と必死の守備で守り切ったC大阪。ACLにもつながる大逆転勝利だった。「最初からこういう試合ができるように頑張る」と誓った播戸とC大阪イレブン。日本勢最後の砦として戦うACLでは、立ち上がりからの怒涛の攻撃で韓国王者・全北現代に攻め勝つ。

TOP