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痛み止めを打って強行初先発、ユングベリ「チームを助けようと思った」

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[9.17 J1第26節 清水1-0浦和 エコパ]

 痛みを押してチームの勝利のためにピッチを駆け回った。移籍後初先発を果たした清水エスパルスのMFフレドリック・ユングベリがチームを5試合ぶりの勝利に導いた。

「最初はいろいろあって、試合に出られないかと思ったけど、出ることができて、試合にも勝ててよかった」

 試合後、ミックスゾーンを通るユングベリは右足を引きずっていた。途中出場で決勝点をアシストした14日のナビスコ杯・新潟戦(2-1)で右足つま先を負傷。この日は試合前、そしてハーフタイムにも痛み止めの注射を打っていた。

「試合中に痛みが出て、自分のやりたいことを100%できたわけではないけど、チームを助けようと思ってプレーしたし、それはできたと思う」

 4-3-3の左MFで先発し、後半10分からは左FWにポジションを上げた。気温28.3度、湿度79%の過酷なコンディション、劣悪なピッチに苦しみ、ミスもあったが、前半33分にはFW高木俊幸へ、同36分にはDF辻尾真二へ絶妙なパスを通すなどチャンスを演出。後半31分に交代するまで、献身的なプレーでチームを支えた。

「前半はコンビネーションプレーもできて、ゴールに迫るチャンスをつくれた。ただ、グラウンドが本当にひどくてプレーできる状態ではなく、相手にカウンターからチャンスを与えてしまったのはよくなかった。後半はシンプルにやろうと話して、そこはよかったが、逆に見ている人には少し楽しめないサッカーをしてしまった」

 ナビスコ杯に続く公式戦連勝。リーグ戦では8月13日の大宮戦(3-0)以来、3試合ぶりの勝ち点3となった。FW高原直泰、MF小野伸二ら主力に故障者を抱える中、8月末に来日後、初白星となった勝利を喜びながらも、試合内容には決して満足しなかった。とはいえ、この日の条件を考えれば、求められていたのは内容よりも結果。その“目的”を達成すべく奮闘したユングベリは右足を気にしながらも、その表情には充実感も浮かべていた。

(取材・文 西山紘平)

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