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今季2度目の3連敗…トンネルを抜け出せない浦和

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[9.17 J1第26節 清水1-0浦和 エコパ]

 チャンスの数で劣っていたわけではない。シュート数は相手の8本に対し、倍近い14本。だが、ゴールが遠かった。浦和レッズは清水に0-1で敗れて今季2度目の3連敗。前節の山形戦後に柱谷幸一GMを解任した荒療治もむなしく、5試合勝ちなし(1分4敗)と、さらなる苦境に陥った。

 立ち上がりは決して悪くなかった。2分、FWエスクデロ・セルヒオがシュート。21分にはMFマルシオ・リシャルデスの直接FKがバーを直撃した。ところが、この後、失速する。

 要因の一つは、U-22日本代表のFW原口元気、MF山田直輝を欠く中で前線の構成が大きく変わっていたことだ。浦和の命綱である前線からの守備がままならず、30分過ぎからは最終ラインが何度も危険にさらされるようになった。

 ロングボール多用の戦術も仇(あだ)となった。猛暑と台風による長雨の影響でピッチが荒れていたことで、ペトロヴィッチ監督は「パスを1、2本つないだらロングボールを入れよう」と指示したが、これも結果的には裏目に出た。

 左SBのDF平川忠亮が言う。「DFラインが上げるスピードと前線がカウンターで裏を抜けて行くスピードに差があって、間延びした。縦に入ったところで全部カウンターというのではなく、サイドに出してコントロールしながら押し上げていくことも増やしていかないと、前線も息が切れてしまうし、最終ラインも押し上げができない。もう少し賢くやっていくようにしないと」

 しかも相手に先制点を許したのは、平川が「左腿前の張り」により後半13分にDF宇賀神友弥と交代した5分後。宇賀神のサイドを崩されての失点は、チーム全体のツキのなさも感じさせた。

 ペトロヴィッチ監督は「後半はボールを支配していたし、試合全体を見ると勝ち点1は取れた。それに、試合後はサポーターもブーイングではなく、応援してくれていた。この難しい時期をクラブ、サポーター、選手が一丸となって乗り切れば、明るい未来が待っている」と強気を崩さないが、降格圏との勝ち点差がじわりじわりと詰まってきていることを考えると、その言葉はさすがに現実とかい離していると言わざるを得ない。

 トンネルを抜け出す日はいつ来るのか。この後も控えるアウェー連戦が重くのしかかる。

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