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21歳で3トップ最年長、公式戦3戦連発の大前「壁を越えられた」

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[9.17 J1第26節 清水1-0浦和 エコパ]

 少ないチャンスを逃さなかった。清水エスパルスのFW大前元紀が公式戦3戦連発となるゴールで決勝点を叩き込んだ。0-0で迎えた後半18分、右サイドを突破したDF辻尾真二のマイナスの折り返しを太腿でトラップし、素早く右足を振る。「GKも見えていたし、迷いなく打てた」という一撃で浦和を沈めた。

 これで10日の磐田戦(1-2)、14日のナビスコ杯・新潟戦(2-1)に続く公式戦3戦連発。それでも「点が取れたのはよかったけど、それ以外は何もしていない。DFが守ってくれてよかった」と守備陣に感謝する。前半は何度かチャンスをつくったが、後半はほぼ浦和ペース。後半45分間のシュート数は3本対10本と劣勢の時間が続いたが、守備陣が粘り強く耐え、大前の決定力で勝ち点3をもぎ取った。

「(自分自身の調子は)良くはなっている。開幕のあと2戦連発があったけど、そのあとが続かなかった。今回は3戦連発。前の壁を越えられたというか。でもそれ以外のプレーはよくなかった。ゴール以外のプレーをよくしていきたい」

 震災による中断明けとなった4月23日の福岡戦(1-0)、同29日の横浜FM戦(1-1)と2戦連続でゴールを決めたが、その後は5試合無得点。なかなかコンスタントにゴールを挙げることはできなかったが、これで今季通算6得点とし、チーム内ではFW高原直泰の8得点に次ぐ単独2位の数字となった。

「点が取れるのはFWとしていいことだし、これからも結果を出していきたい」。チーム得点王の高原は依然、負傷離脱中で、9月中の復帰は難しいと見られている。この日、3トップの中央を任されたのはプロ2年目でリーグ戦初先発となったFW鍋田亜人夢。左サイドは鍋田と同じく20歳のFW高木俊幸だった。3トップでは21歳にして“最年長”。その得点感覚を開花させつつある大前が、エース不在の若き攻撃陣をゴールで引っ張っていく。

(取材・文 西山紘平)

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