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11戦負けなしの首位G大阪、ラフィーニャの10戦9得点目で勝ち点1&開幕から26試合連続得点

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[9.18 J18第26節 横浜FM1-1G大阪 日産ス]

 これが首位チームの、いやガンバ大阪の強さなのか。前半20分に失点し、その後、横浜FMがリーグ最少失点の鉄壁守備でゴールに鍵をかけようとしたが、一瞬の隙を突いてゴールをこじ開けた。FWラフィーニャが助っ人の意地を見せた。

 0-1の後半13分、左サイドで途中出場のMFキム・スンヨンからDF藤春廣輝とつながり、深い位置から藤春がクロス。これをエースが見逃さなかった。ラフィーニャは味方が前を走ったのを見て、その後ろから飛び込んでヘディングシュート。1-1の同点に導くゴールを決めた。

「藤春からボールが来るのを信じて走った。あの瞬間、味方の選手が自分の前を横切って、相手DFを引きつけてくれた。あれでフリーで決められた。最低でも1点取れて、勝ち点1を取ることができた。それは良かったと思う」

 2試合連続の今季9得点目。7月に草津から加入して10試合で9得点と大暴れしている。早くもチーム得点王のイ・グノの10得点に1と迫り、得点ランキングでも12位タイまで躍り出た。この日は、前半から横浜FMの守備的な戦い方に苦しんだ。「スペースがなかったので、どうしてもサイドに開いてしまった」とラフィーニャ。しかし、このエースを活かすべく、西野朗監督が動いた。

「ビハインドがあったので、2トップ以外で2トップに絡んでいくとか、厳しいエリアに入っていく推進力が欲しかった。和司(横浜FMの木村監督)が動くよりは先に動きたいと思っていた(笑)。とにかくアタッキングサードへの力というか、早めに切り変えようとした」

 後半11分に左右の攻撃的MFを一気に入れ替えた。MF二川孝広に代えてMFキム・スンヨンを、MF武井択也に代えてFWアフォンソを入れた。これでサイドでの攻防でより優位となり、ラフィーニャやイ・グノがよりゴールに近い位置でプレーすることができるようになった。MF遠藤保仁も「珍しく早かった。2人が入って流れが変わった」と振り返ったが、交代策からわずか2分後、ラフィーニャの同点弾が決まったのだ。

 その後、猛攻を続けながらも追加点は奪えず1-1ドロー。勝ち点3を奪うことは出来なかった。しかし、G大阪らしい攻撃サッカーを貫いて、敵地での首位攻防戦で勝ち点1をつかんだ。負けていたら、G大阪、横浜FM、柏の3チームが勝ち点53で並ぶ展開だったが、2位の柏に1差を付けて首位をキープ。3位の横浜FMとは同3差と差を縮めさせなかった。優勝するためには上位との対戦で負けてはいけないが、これがシーズン終盤に向けて“大きな1”になる可能性がある。

 連勝は4でストップしたが、これで7月16日のアウェー甲府戦(3-4)の黒星を最後に、7勝4分と11戦負けなしとした。さらに、開幕から続く連続得点試合を26試合に伸ばした。「アウェーだったが、ガンバらしい最後まで取りに行く積極的なゲームができた。トップ・トップのゲーム(首位攻防戦)の中で、ポイント1を自分たちのスタイルを出し切った中で取れたことは、間違いなく次に繋がる」と西野監督は追いついてのドローを評価した。

 前半にFWイ・グノのポスト直撃のシュートがあったり、オフサイドでゴールが取り消されたシーンもあったが、指揮官の采配がズバリと当たり、新助っ人がしっかりと仕事をしたあたり、G大阪の強さを証明したと言える。「チーム一体となって戦っていきたい。ブラジルでは2回、タイトルを取ったが、今年もタイトルを掴みたい」とラフィーニャは優勝への意欲を示したが、負けないガンバはしばらく続きそうだ。

(取材・文 近藤安弘)

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