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3戦連続先発の青山、1失点に悔い。「勇蔵さんが控える中で結果を出したかった」

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[9.18 J18第26節 横浜FM1-1G大阪 日産ス]

 耐えに耐えて、首位のG大阪から勝ち点1を“つかんだ”とも言える横浜F・マリノス。たしかに先制しただけに勝てなかった悔しさはあるが、内容を考えると、1失点に抑えた形となった。サポーターもきっと、守備陣を評価していると思われるが、この男だけは人一倍、悔しさを見せた。

「悔しいですね。ちっとしたところで点を取られた。前半、結構崩されてポスト直撃のシュートがあったりした。それでも何とかしのいでいたのに、あれが入ってドロー。今日は大事な試合だった。個人的にも、勇蔵さんが控える中で、結果を出さないといけない試合だった」

 唇を噛んだのはDF青山直晃だ。今季、清水から加入したが、2009年の右膝前十字靭帯損傷の大怪我が尾を引いて、序盤はなかなか試合に絡めなかった。元U-22日本代表で、オシムジャパンのころはA代表も経験したCB。北京五輪世代の選手で、むしろこの世代を引っ張る立場のCBだったが、近年は怪我に苦しんでいた。

 ようやくパフォーマンスが戻り、6月5日のナビスコ杯・神戸戦(1-1)で移籍後初先発。しかし、リーグ戦では出番がなかった。それでも何とか信頼をつかみ、10日の福岡戦で今季リーグ戦初先発。途中出場1試合を含めてリーグ戦は今季2試合目の出場だったが、1-0の完封勝ちに貢献した。続く14日のナビスコ杯・川崎F戦でも先発し、4-0の完封勝ちに貢献した。

 日本代表DF栗原勇蔵がW杯アジア3次予選に参加していたため、疲労や軽い足への違和感を考慮されてベンチを温めたための“代役”だったが、この日のG大阪との首位攻防戦でも栗原を差し置いて公式戦3試合連続の先発。「試合勘でいうと、最初の2試合はちょっとバランスが悪かったところもありましたけど、今日に関してはできたかなと思う」と手応えも感じただけに、白星という結果が欲しかった。

 ただ、らしさは十分に披露した。後半13分にクロスから1失点したが、持ち味の対人の強さ、空中戦の強さを発揮。G大阪の猛攻をDF中澤佑二とともに体を張って跳ね返した。もともと能力が高かっただけに、100%満足いくものではないが、今後の飛躍も感じさせる出来だった。

「同世代があんだけ頑張ってるので、ああいう華やかな世界でやりたいというのは思いますが、まずはここでしっかりと下積みして、凄いCBがいるので、個人能力でしっかりと勝てるようにしたい」

 北京五輪の本大会は落選した青山だが、反町ジャパンで共に戦ってきた面々には、守備的な選手でいえばVVVのDF吉田麻也やハイデュク・スプリトのDF伊野波雅彦、シャルケ04のDF内田篤人やインテルDF長友佑都、アウクスブルクMF細貝萌らが欧州で活躍している。彼らに追いつけ追い越せの思いがある。

 その前に、本人の言葉通り、横浜FMには中澤佑二と栗原勇蔵のJリーグを代表するCBが立ちはだかる。逆に言えば、2人からレギュラーを奪えば、日本代表復帰の近道となる。この日の1失点を今後の糧にし、完全復活、そして、大きく先を越された同世代に追いついてみせる。

(取材・文 近藤安弘)

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