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「優勝戦線に残りたかった」、名古屋が3発逆転で3試合ぶり白星

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[9.23 J1第27節 名古屋3-1神戸 瑞穂陸]

 名古屋グランパスが3発逆転で3試合ぶりの勝ち点3を手にした。ここ2戦は1分1敗。この日も開始4分に先制点を許すなど決して試合内容はよくなかったが、地力の差を見せ、試合をひっくり返した。「この試合を逃したくなかった。勝ち点3を取って優勝戦線に残りたかった」。試合後のインタビューでストイコビッチ監督が振り返ったとおり、正念場の一戦を制して暫定ながら2位に浮上し、首位・G大阪とは勝ち点1差。明日24日以降に試合を控える上位勢にプレッシャーを与える白星となった。

 前節・鹿島戦(1-1)で貴重な同点ゴールを決めたDF田中マルクス闘莉王がまたもチームを救った。立ち上がりの失点から6分後の前半10分、セットプレーの流れで前線に残っていた闘将のヘッド弾で試合を振り出しに戻した。MFダニルソンから左サイドでパスを受けたFW小川佳純がクロス。FWケネディの背後から飛び込んだ闘莉王が打点の高いヘディングシュートをゴールに叩き込んだ。

 前半は神戸の出足の早いプレッシャーに苦しんだが、1-1で折り返した後半は神戸の運動量が落ちたこともあり、徐々にペースを引き寄せた。すると、後半16分、右サイドでパスを受けたMF藤本淳吾が鋭いドリブルでDF相馬崇人をかわして中に切れ込み、PA外から左足を振り抜く。ループ気味のミドルシュートはGKの頭上を越え、ゴール左上隅へ。「風でボールが落ちたと思うけど、ああいうゴールは好き。決まってよかった」という藤本の鮮やかな一撃で逆転に成功した。

 直後の後半17分には、その藤本と、負傷から3試合ぶりに先発復帰したMF中村直志をベンチに下げ、MF金崎夢生とU-22日本代表FW永井謙佑を投入。攻撃の手を緩めることなく、試合を決めにかかった。そして後半41分、21日の五輪アジア最終予選・マレーシア戦を終えたばかりの永井が貴重な仕事をする。自陣でボールを持つと、一気に縦にドリブル突破。マークに来た相馬を振り切って右サイドを駆け上がると、山なりのクロスをゴール前に送る。ケネディのヘディングシュートは一度はGKに阻まれたが、GKの手を弾いてポストに跳ね返ったボールをケネディが右足で押し込み、3-1と試合を決定付けた。

 積極的な采配で逆転勝利に導いたストイコビッチ監督は「あと7試合、今日のような攻撃的なスタイルを出していきたい」と強調。次節10月2日の清水戦に向け「古巣なので。頑張りたい」と意気込んだ藤本は「上は混戦だし、一つも落とせない」と連覇に向けて強い決意を口にしていた。

[写真]前半10分、同点ゴールを決めたDF田中マルクス闘莉王がチームメイトとハイタッチ

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