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小椋不在が響き堅守が崩れた横浜FM、栗原「自分が入ってこういう結果になるとつらい」

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[9.24 J1第27節 横浜FM1-3仙台 日産ス]

 優勝戦線に生き残るうえで、痛い敗戦となった。横浜F・マリノスは日本代表DF栗原勇蔵が公式戦4試合ぶりに先発して左SBに入る新布陣で挑んだが、今季最多タイの3失点で6試合ぶりの黒星を喫した。不慣れな位置での復帰戦となった栗原は「ここ数試合、いい流れで来てて、自分が入ってこういう結果になるとつらい」と悔しがった。

 前節は首位のG大阪に1-1で引き分け、リーグ戦5戦負けなしとした。勝ち点差も3をキープと、まずまずの流れで仙台戦を迎えた。立ち上がりは最高だった。前半3分に、相手のミスからボールを奪ってカウンター。MF谷口博之の右クロスからDF小林祐三が移籍初ゴールを決めて先制点に成功した。

 しかし、前半10分にミドル弾で同点とされると、同12分には速いリスタートに集中力を切らし、クロスからヘディングで失点。後半10分にはハイボールのクリアを栗原がミスし、3失点目につながった。前節までリーグで2番目に少ない23失点と堅守を誇ってきた横浜FMが大事な試合で今季最多タイの3失点。栗原を左SBに置く新布陣に注目が集まったが、堅守が崩れた理由は違うところにあった。

「正直、小椋が抜けてこれだけ崩れるとは……。一人抜けてこれだけ変わるようではいけない。小椋がいたら? 攻撃の時には、バランスを取ってくれるし、ボール奪取したり、遅らせてくれる。今日はタニ(谷口)とタカシ(金井)だったけど、ボランチの前のスペースが空いて、セカンドボールを拾われて、カウンターを受けたときに数的不利になった」

後方から守備陣に声を出し続けたGK飯倉大樹が分析した。この日は、G大阪戦で右肩を挫傷したMF小椋祥平が欠場。ダブルボランチが谷口博之金井貢史に変わった。ボランチ同士はもちろん、最終ラインとも密な連携が必要な守備の要のポジションで、今季ここまで全試合に出場していた小椋が抜け、バランスを欠いたという。

 谷口は「中盤のバランスが良くなくて、相手にセカンドボールを拾われた。しっかりした守備からカウンターを狙う、マリノスのサッカーが出来なかった。オグがいないので、中盤のバランスを自分が中心になって取らないといけなかった。それが出来なかった」と反省した。とはいえ、谷口だけのせいではない。チーム全体で、小椋の不在を埋めるべく、守備のバランスを修正していかないといけない。

 小椋は全治約3週間。28日のナビスコ杯・川崎F戦、次節10月1日の新潟戦の2試合は欠場することが濃厚だ。今後も、左SBに栗原が入る急造4バックを採用する可能性がある。右SBの小林は「オグがいないけど、上に行けるチームというのは代わりに入った選手が、その選手以上のパフォーマンスをしたりする。これ以上、ずるずるいかないようにしないといけない。選手が監督の意図を汲んで、修正しないといけない」と吐露した。

 幸いこの新4バックは、「DFラインが悪いとは感じなかった」と谷口が明かす通り、今のところ大きな問題はないという。栗原も「3失点目は自分のクリアミスで反省したい。でも、失点は崩されてのものではない。左SBも自分の中では整理してやれた。体力も持ったし、できたところはある」。勝ち点は51のままで、首位との差は縮められなかったが、小椋の不在をカバーし、何とかもう一度、這い上がってみせる。

[写真]左SBで先発復帰した栗原勇蔵。悔しい復帰戦となった

(取材・文 近藤安弘)

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