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福岡が今季初の連勝!大宮との“裏天王山”を制し、ミラクル残留につなげる

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[10.1 J1第28節 大宮0-2福岡 NACK]

 J1第28節の第1日が1日に各地で行われ、NACK5スタジアム大宮では前節13位の大宮アルディージャと最下位のアビスパ福岡が対戦した。下位同士の“裏天王山”といえる一戦は、福岡がMF松浦拓弥とFW城後寿のゴールで2-0と今季初の連勝をつかんだ。勝ち点は18と、あすG大阪戦を控える暫定15位の浦和とは同11差と厳しい状況に変わりはないが、わずかな光を灯した。大宮は今季初の連勝をまたしても逃した。

 大宮はU-22日本代表MF東慶悟が急な発熱のため欠場とアクシデントが襲った。システムは4-5-1でGKは北野貴之、DFラインは右から杉山新、片岡洋介、金英權、村上和弘。ダブルボランチは青木拓矢と上田康太が組み、2列目は渡邉大剛、左に金久保順、トップ下には藤本主税が入った。1トップはラファエルが務めた。

 対する福岡は4-4-2を採用し、6試合ぶりの白星をつかんだ前節の広島戦(2-1)と同じメンバーを配置。GKは神山竜一、DFラインは右から山形辰徳、丹羽大輝、小原章吾、和田拓三。ダブルボランチは末吉隼也と鈴木惇が組み、2列目は右に成岡翔、左に松浦拓弥が入った。2トップは城後寿と重松健太郎が組んだ。

 序盤から両軍ともにチャンスを作る。まずは福岡。前半5分、縦パスに重松が抜けだしてGK北野と1対1になった。しかし、右足のシュートはファインセーブに阻まれ、先制の好機を逃した。対する大宮はその1分後、ラファエルのスルーパスに藤本が抜け出して右足でシュートを決めたが、惜しくも藤本の飛び出しがオフサイドとなった。

 その後、福岡が積極的なプレスとカウンターでチャンスをつかむ。前半12分、松浦がPA正面から右足シュート。同15分にはPA左から重松が右足シュート。いずれも決められなかったが、見せ場を作った。大宮は同19分、決定機をつかむ。上田のスルーパスに金久保が抜け出し、GK神山と1対1になる。狙いすまして右足を振り抜いたが、これは惜しくも神山のファインセーブに阻まれた。

 さらに大宮は前半21分、再び先制点のチャンスを作る。右サイドから藤本のクロスにファーサイドでラファエルがヘディングシュート。GK神山を抜いてゴールインかと思われたが、ぎりぎりのところで丹羽が体勢を崩しながらクリア。大宮サポーターからは溜息が漏れた。

 その後、大宮は細かいパス回しで、福岡は鋭いショートカウンターで仕掛けようとするが、共にゴールは遠い。前半34分に大宮は渡邉がミドルシュートを放ったが、GK神山にセーブされた。福岡は同40分、右サイドの城後のクロスから末吉がヘディングシュート。決定機だったが、枠を外した上にオフサイドに。前半は0-0で折り返した。

 後半、福岡は重松に代えてMF田中佑昌を投入した。結果的に、これがズバリと当たった。同3分、福岡が先制に成功した。左サイドで得たFKを鈴木がファーサイドへ入れる。これを田中がダイレクトで折り返し、松浦拓弥が押し込んで1-0とした。

 残留を早めに決めたい大宮としては、絶対に負けられない一戦。後半10分、エースが意地を見せる。PA手前でラファエルがパスを受け、反転からPA内に突進。シュートを打ちかけた際に相手に倒されたように見えたが、PKは得られなかった。大宮は同11分、藤本に代えて“切り札”のFW石原直樹を送り出した。大宮は2トップに変えてゴールを狙った。

 しかし、福岡がペースを握り、サイドをうまく活かしてボールを保持する。ただ、追加点を奪うまでには至らなかった。福岡は後半22分、鈴木に代えてMF中町公祐を入れた。そしてその2分後、福岡が大きな追加点を奪った。田中が快足を活かして右サイドを仕掛けてクロス。これをファーサイドで城後寿が走り込んで合わせて2-0とした。城後は6試合ぶりの今季6得点とした。

 大宮は後半34分、ゴール前の混戦からラファエルが左足を振り抜いたが、わずかに右に外れた。大宮は同39分、最後の交代カードを切る。金久保に代えてFWホドリゴ・ピンパォンを入れた。同43分、ラファエルの左クロスのこぼれ球がピンパォンの前にこぼれたが、左足のシュートは上に外れた。

 福岡は後半43分、松浦に代えてFW岡本英也を投入した。ロスタイムは3分。ゴールを狙う大宮に、体を張って守る福岡。大宮は縦にボールを入れて何とか1点を狙ったが、福岡が粘りの守備。試合はそのまま終わり、福岡が2-0で今季初の連勝をつかんだ。大宮は勝てば残留争いで一歩抜け出せたが、痛い敗戦。大宮側のスタンドからは選手へブーイングが浴びせられた。


[写真]先制点を決めたMF松浦拓弥がチームメイトと喜ぶ

(取材・文 近藤安弘)

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