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小野&ユングベリ初共演の清水が名古屋を一蹴、シュート23本浴びせる完勝

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[10.2 J1第28節 清水2-0名古屋 アウスタ]

 小野&ユングベリの“初共演”で清水エスパルスが王者を撃破した。28日のナビスコ杯・新潟戦で故障から復帰したMF小野伸二がリーグ戦では9月10日の磐田戦(1-2)以来、4試合ぶりに先発。MFフレドリック・ユングベリと初めてそろって先発した。磐田戦、ナビスコ杯・新潟戦はいずれも先発した小野に代わってユングベリが途中出場したため、同時にピッチに立ったのも初めて。4-3-3のインサイドハーフでコンビを組み、正確なパスと積極的な飛び出しで名古屋を翻弄した。

 前半18分、ハーフウェーラインを越えた位置でセカンドボールを拾った小野が約50mの距離からロングシュート。同36分にはユングベリのスルーパスからFW大前元紀が抜け出したが、シュートはゴールの枠を捉え切れなかった。前半のシュート数は13本対3本。前年王者を押し込みながら、ゴールが遠かった。

 後半に入っても清水ペースは変わらない。後半14分、DF太田宏介がユングベリとのワンツーで左サイドをえぐり、マイナスのクロス。ゴール前に走り込んだ小野が右足アウトで合わせたが、シュートは浮いてしまった。同20分にも太田が左サイドから鋭いアーリークロス。FWアレックスの背後から飛び込んだ大前が右足を伸ばすが、シュートはゴール左へ。その直後にも大前の強烈な左足ミドルをGKが前に弾いたところにDF辻尾真二が詰めるも、決め切れなかった。

 攻めに攻めた清水に待望の先制点が生まれたのは後半28分だった。ユングベリ、太田と左サイドで細かくつないでFW高木俊幸が右足で逆サイドへクロス。大前のヘディングシュートはGKの手を弾いてゴールマウスに吸い込まれ、ついに均衡を破った。

「その前にいっぱい外していたので、何とか1点取りたい気持ちであそこに飛び込んだ。決められてよかった」。大前がこの日放ったシュートは高木と並んで両チーム最多の7本。その1本をようやくゴールにつなげ、安堵の表情を見せた。

 先制しても清水は攻撃の手を緩めない。後半39分、ユングベリが右サイドでDF阿部翔平と対峙すると、自ら仕掛けた。ボールを阿部の右側に通し、自分は左側を抜ける“裏街道”で抜き去る。ゴールライン際までえぐって折り返したボールをアレックスが難なく右足で流し込み、2-0と試合を決定付けた。

 90分を通してシュート数は23本対4本。名古屋を一蹴する完勝劇は、小野とユングベリのコンビネーションがさらに高まればという期待も抱かせた。最近4戦3発で今季通算7得点とした大前は「チームみんなが調子いいので。僕は最後に点を取らせてもらっているだけ」と言った。負傷離脱中のFW高原直泰の復帰も近づいており、シーズン終盤、そして来季に向けても、今後が楽しみになってきた。

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