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1年ぶり代表戦は不完全燃焼、憲剛「徐々に合ってきたところで…」

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[10.7 キリンチャレンジ杯 日本1-0ベトナム ホームズ]

 時間が経つごとに手応えを感じていた。1年ぶりの代表戦は“ここから”というところでタイムアップの笛が鳴った。日本代表MF中村憲剛(川崎F)は後半開始から出場。昨年10月12日の韓国戦以来となる代表戦出場を果たし、4-2-3-1のトップ下でプレーした。

「トップ下で出ている以上、得点に絡みたい。久々の代表だったし、得点に絡みたかった。周りとのコンビネーションが徐々に合ってきたところで終わってしまった」

 得意のスルーパスで何度も裏を狙った。「(藤本)淳吾、チュンソン(李忠成)、原口と話しながらやった。自分が前を向いたらすぐ走ってくれて(パスを)出しやすかったし、“合えば”というのも5本ぐらいあった。みんな自分の特長は分かってくれたと思う」。オフサイドにかかるシーンも目立ち、あと一歩のところでタイミングが合わなかったが、時間が解決する部分でもある。

 パスを出すだけでなく、自らも積極的にスペースに飛び出した。「バイタルでボールを受けて前を向いたらスルーパスもあるし、他の選手が落ちてきたら2トップになるというか、追い越すのもトップ下の役割。自分はそれも出せるし、積極的に飛び出した」。ザックジャパンでは不動のトップ下であるFW本田圭佑とは異なる自分の持ち味を存分に発揮した。

 9月2日のW杯アジア3次予選・北朝鮮戦、同6日のウズベキスタン戦で約11ヵ月ぶりの代表復帰を果たしながら故障で無念の離脱。この日が待望の復帰戦だった。360日ぶりの代表戦で見せた「憲剛・トップ下」は不完全燃焼に終わったが、本田不在の状況が続くザックジャパンにとって、11日のW杯アジア3次予選・タジキスタン戦(長居)に向けて貴重なテストの場となったのは間違いない。

[写真]1年ぶりにA代表でプレーした中村憲剛。スルーパスなど“らしさ”は見せた

(取材・文 西山紘平)

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