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[MOM487]北陸MF坪田卓郎(3年)_20年ぶりV導いた攻撃センス

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.8 全国高校選手権福井県大会決勝 北陸1-0福井商 テクノポート福井]

 福井商がキック&ラッシュでペースを奪いに来た序盤、試合を落ち着かせたのが北越MF坪田卓郎主将(3年)だった。4-2-3-1システムのダブルボランチの一角に入り、中盤でゲームをコントロール。3トップへの配球役で、相手の少ないサイドへ的確に球を散らした。

 高校総体前までは前線でプレーすることが多かったが、プレーの正確性を評価されてボランチにコンバートされた。「今は守備から入ることが大事。元々は攻撃の選手だったので、もう少し攻める展開に参加できればいいと思っているし、守備は攻撃に比べると疲労感が強いと感じる。でも、最終ラインが声をかけてくれるし、今はチームで守ることができていると思う」と話し、チームの特徴の一つに守備の粘り強さを挙げた。

 それでもやはり光ったのは攻撃のセンスだった。福井商の粘りにあい、逆襲を受け始めた試合の終盤、要所で好機を引き寄せたのは坪田の右足だった。延長戦の後半、際どい直接FKをクロスバー付近に打ち込み、右CKを獲得。そのCKからゴール前の混戦が生まれ、全国切符となる決勝点につながった。坪田の胸には高校卒業と同時にサッカーから離れる決意がある。「ゴールにかける思いは強いです」と話す表情には、全国の舞台でもうひと暴れしそうな雰囲気が漂っていた。

(取材・文 平野貴也)

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