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東京Vはリーグ戦につながる大量得点、「セットプレーで取れたのが良かった」

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[10.10 天皇杯2回戦 東京V7-1長崎 駒沢]
 やっと呪縛から解き放たれた。優勝した2004度の第84回大会以降、まるで何かにとりつかれたかのように初戦敗退を繰り返していた東京ヴェルディだが、JFLのV・ファーレン長崎に7-1で大勝。7大会ぶりに初戦を突破した。ゴール自体も6大会ぶりとなった。
 前半20分に一瞬の隙を突かれ、痛い先制点を許した。「自分たちで苦しめていた。あれで目が覚めた」とMF菊岡拓朗が振り返ったが、そこからエンジンが掛かった。2分後にCKのこぼれ球からFWマラニョンが同点弾を決めると、前半38分にFW阿部拓馬がFKからヘディングシュートを決めて2-1の逆転に導いた。後半は5得点と怒涛のゴールショーを披露した。
「過去に勝ったとか、負けたとかは関係ないよ。ここでしっかり勝って、リーグ戦も勝つというモチベーションがあったからね」と1-1同点弾と4-1のダメ押し弾を決めたマラニョンは“負のジンクス”より、リーグ戦へつなけだい思いが勝ったことを強調した。2-1逆転弾と最後の7点目を決めた阿部は「今までのデータとかは気にしていなかった。でも、そういうのが破れたのなら良かった」と振り返った。
 呪縛を解いたことよりも、嬉しいことがあった。「最近はセットプレーで点が取れていなかったので、きょうは3点ですか、それが良かった。セットプレーでも1点は1点なので」と阿部が明かした。東京Vは現在、J2最多得点を誇るが、長身選手が少ないこともあり、セットプレーでの得点が少ない。リーグ戦では9月18日の横浜FC戦を最後に、セットプレーでの得点はない。
 それどころか、前節の栃木戦は無得点で、その前の9月24日のガイナーレ鳥取戦も1得点のみと、攻撃が湿りかけていた。それだけに、この日はCKからの直接ヘッドで1得点、CKのこぼれ球から1得点、FKで2得点(うち1得点は直接)と4得点がセットプレー絡みだった。今後につながる試合になった。
「残り試合、勝つことしか自分たちは考えていない。チームで課題をしっかりと話し合ってやっていきたい」と土屋は表情を引き締めた。現在7位ながら、まだJ1昇格の可能性を残す東京Vにとって、苦手を克服するきっかけとなる勝利だった。この1勝を“起爆剤”にして逆転昇格を目指す。
(取材・文 近藤安弘)

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