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東京V・巻、移籍初ゴールに“あと一歩”「大事な試合で、大事なゴールを」

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[10.10 天皇杯2回戦 東京V7-1長崎 駒沢]
 東京ヴェルディは7-1でV・ファーレン長崎に大勝し、7大会ぶりに初戦突破を果たしたが、一人だけ悔しい表情を浮かべた男がいた。元日本代表FW巻誠一郎だ。サポーターの声援に煽られる形で後半28分から出場。同34分にはFWマラニョンからのお膳立てで移籍初ゴールを決められるチャンスがあったが、残念ながら左ポストに当ててしまった。
「ああいう声をもらえて、選手としては嬉しいですね。それで点を取れればよかったけど……。チャンスがあったので、ちょっと悔しいです。個人的には1点取れれば楽になるので、取りたい気持ちが強かったんですけど……。また次、頑張ります」
 巻は苦笑いを浮かべた。今夏に東京Vに加入。8月27日の熊本戦に途中出場し東京Vデビューを果たした。しかし、その試合は出場3分間で、その後も昨季所属の中国スーパーリーグ・深センでも苦しんでいた膝の状態が万全ではなく、リーグ戦5試合計26分間の出場にとどまっている。ゴールもまだない。この日、格下のチームが相手だっただけに、サポーターは“移籍1号”を期待したが、あと一歩、届かなかった。
 とはいえこの日、東京Vに加入後、ロスタイムを含めて約20分間と公式戦では最長のプレー時間となった。まだ膝の具合に加え、や試合勘なとが100%ではないが、完全復活の道を着実に進んでいる。「公式戦に出るのとは違うと思いますが、トレーニングや練習試合の中ではだいぶ動けるようになってきた」という。
「僕に点を取らせようとボールを集めてくれていたのを感じた。マラニョンも自分で打てるのに、わざわざパスを出してくれた。今日は決められなくて申し訳なかったけど、大事な試合で、大事なゴールを決められるように頑張りたい」
 11月16日の3回戦では、浦和vs宮崎産業経営大との勝者と対戦する。J1チームと対戦するチャンスが高まっているが、巻は「次にJ1とやるのも楽しみだけど、来年J1に上がって、常にJ1のチームとプレーできるほうがいいです」。今は苦しい時期を過ごしているが、必ずリーグ戦でゴールを決める。それもJ1昇格につながるような一発を--。
(取材・文 近藤安弘)

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