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「やっぱり俺は点取り屋」、右膝痛の岡崎がFWの意地で2発

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[10.11 W杯アジア3次予選 日本8-0タジキスタン 長居]

 ストライカーとしての意地だった。右膝痛を抱えながら強行先発した日本代表FW岡崎慎司(シュツットガルト)が2得点。後半31分、この試合9本目となるヘディングシュートが枠を外れると、その1分後にFW藤本淳吾と交代した。「最後は足がつりかかっていた。最後も決めたかったけど、相手に寄せられて耐えることができなかった」。試合中は「気にならなかった」という右膝だが、練習量が十分ではない中、気持ちで奪った2発だった。

「今の俺のモチベーションは得点に尽きる。サイドとかやったり、ブンデスでいろいろ経験しているけど、やっぱり俺は点取り屋だなって思うようになった。今はその気持ちを大事にしている」

 日本代表では4-2-3-1の右MFが主戦場で、シュツットガルトでも4-2-3-1や4-4-2の左MFを務める。ゴールまでの距離は遠いが、その中でもシュートチャンスは毎試合のように訪れる。「チャンスがあるからポジティブになれている。中盤から走っていけばチャンスがあるし、クロスに入っていけば絶対にチャンスになるから」。ブンデスリーガでは今季2得点。決定機の数から言えば、まだまだ物足りないが、だからこそ、FWとしての本能を呼び覚まされた。

「俺は生粋のストライカーだし、そこにこだわってやりたい。常に点を狙っているし、点を取れなかったら(メディアから)叩いてほしいと思っている」

 チームとして3試合連続1得点に終わり、FW本田圭佑不在による得点力不足を指摘する周囲の雑音も耳に入っていた。試合前日には「この試合で点を多く取ることがチームの盛り上がりにもつながる。盛り上がってはいるけど、結果に表れていないから。結果で周りに見せることが大事」と大量得点を誓っていた。その言葉通りの8発圧勝。自らも2点を奪って見せた。

 これで国際Aマッチ通算24得点とし、23得点のFW高原直泰(清水)を抜き、MF中村俊輔(横浜FM)と並んで歴代6位タイとなった(1位は釜本邦茂氏の75点、2位は三浦知良の55点、3位は原博実氏の37点、4位は高木琢也氏の27点、5位は木村和司氏の26点)。「(通算ゴール数は)少しは意識しているけど、これから他の選手も出てくると思うから。でも、俺ももっと取り続ける」。W杯アジア3次予選では9月6日のウズベキスタン戦(1-1)に続く2戦連発で計3得点。貪欲さを増し続ける岡崎が、ゴールでザックジャパンをブラジルまで導く。

[写真]チーム2点目、自身この日1点目につながるシュートを放つ岡崎

(取材・文 西山紘平)

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