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札幌、今季最多4失点で痛恨連敗…京都・工藤が移籍初先発初ゴール

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[10.19 J2第6節 京都4-0札幌 西京極]

 3位コンサドーレ札幌が痛恨の連敗を喫した。これまで3失点以上の試合はなかったが、今季最多となる4失点。京都サンガF.C.に0-4で惨敗した。3月5日の今季開幕戦・愛媛戦(0-2)と4月23日の再開初戦・湘南戦(0-1)で連敗して以来、今季2度目の2連敗。8日の天皇杯2回戦・水戸戦(延長2-3)を含めれば公式戦3連敗で、昇格争いの佳境を迎える中、痛すぎる足踏みとなった。

 立ち上がりからアウェーの札幌が積極的に攻め込んだ。前半2分、MF砂川誠の左CKからDF日高拓磨がヘディングシュート。同8分にはMF古田寛幸がFW近藤祐介とのワンツーからシュートを狙うが、GK水谷雄一の好守に阻まれ、こぼれ球を狙った砂川の左足ミドルはクロスバーを直撃した。

 優勢に試合を運びながら攻めあぐねる札幌に対し、京都は数少ない好機を得点につなげていった。前半38分、中盤でボールをキープしたMFチョン・ウヨンが相手4人に囲まれながら左サイドに絶妙なスルーパス。FW宮吉拓実のクロスをMF工藤浩平が右足ダイレクトで合わせ、ゴール左隅に蹴り込んだ。得点後は16日に第2子が誕生したばかりの水谷に捧げるゆりかごダンス。劣勢の京都が先制に成功した。

 今季、千葉から京都に新加入した工藤だが、シーズン前の1月に左膝前十字靭帯損傷の重傷を負い、長期離脱を強いられた。9月1日の愛媛戦(0-0)に途中出場し、今季初出場を果たすと、この日が出場3戦目で待望の初先発だった。

「今年移籍してきて、悔しいシーズンを送っていたので、残り試合、1試合1試合がんばろうと思っていた。リハビリを支えてくれた先生、近くで支えてくれた家族。今日見ててくれたと思うのでよかった。『(点を)決める』って言って(家を)出てきたのでよかったです」

 大木武監督の期待にも応える工藤の移籍初ゴールで勢いに乗ると、前半ロスタイムにもMF中村充孝が右足ミドルを叩き込み、京都が2-0とリードを広げ、前半を折り返した。

 上位対決となった前節・鳥栖戦(0-1)で7試合ぶりの黒星を喫し、3位に後退した札幌。しかも今節はエースのFWジオゴ、今季全試合に先発していたMF河合竜二を出場停止で欠く正念場の一戦だった。総力戦で攻守の要の穴を埋めたいところだったが、後半に入っても立て続けに失点した。

 京都のダメ押しゴールはU-18日本代表FW久保裕也。後半20分、チョン・ウヨンの左CKのこぼれ球を右サイド角度のない位置から左足を振り抜き、ゴールに流し込んだ。17歳FWの3試合ぶり今季9得点目で3-0と突き放すと、同26分にも工藤のスルーパスから中村充がこの日2点目。試合後のインタビューで中村充は「2点目は(工藤)浩平さんのゴールかなと思う。久々に一緒に出たので『楽しんでやろう』と話していた。2人で点を取れてよかった」と笑顔を見せた。

 京都にとっては、今季最多タイの1試合4得点。得点のたびにゆりかごダンスを披露し、「試合前にミズさん(水谷)と『4、5回はやろう』と言っていたのでできてよかった」(中村充)という有言実行の圧勝劇で札幌を4-0と一蹴し、3試合ぶりの勝ち点3を手にした。

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