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柏FW田中がリーグ戦5試合ぶりのゴール、「やっと心の底から喜べる」

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[11.3 J1第31節 柏4-0新潟 柏]

 チーム内の激しいポジション争いが首位の原動力の一つになっている柏レイソルだが、また一人、期待の男にゴールが生まれた。FW田中順也が新潟戦で、9月17日の神戸戦(4-0)以来となる約1ヵ月半ぶり、リーグ戦5試合ぶりにゴールを決めた。

 3-0の後半36分にFW北嶋秀朗と代わってピッチに入ると、ロスタイムに突入した同46分だった。左サイドをMF水野晃樹が突破してクロスを入れると、これをファーサイドでFW工藤壮人が胸で落とし、田中が反応。素早く右足を振り抜いて押し込んだ。

「ほんとに良かった。俺にとってはすごく大きゴールです。勝利をやっと心の底から喜べる。(最近は)体の切れがなかったし、ボールが足元にひっかかったりと調子が悪かった。今日は挽回に向けて勝負だった。チャンスを無駄にしてはいけないと思っていた」

 試合が決まったあとのゴールだが、主に2つの意味がある。1つは田中が不調から脱出するきっかけを作ったことだ。前半戦はゴールを量産してエース級の活躍。日本代表へも招集されたが、最近は不調で、今回の4連勝中で見ると、鹿島戦は前半44分で交代、山形戦は後半21分からの出場、広島戦は先発も後半9分に交代していた。

 FW陣は主に田中と北嶋秀朗、工藤壮人の3人が切磋琢磨してポジションを争っており、これが得点力の面でプラスに働いている。リーグ戦は残り3試合となったが、これに林陵平や澤昌克らが加わって切磋琢磨し続けることで、チームにはプラスになる。もちろん、田中がFWの柱として期待されているのは間違いない。

 もう一つは、優勝に向けての得失点差だ。勝ち点で並んだ場合の順位決定は、得失点差で左右されるからだ。今節までで柏は得失点差+16だが、勝ち点2差で2位の2位のG大阪は同23、名古屋は同24と大きく上回っている。得点数でも柏の55に対し、G大阪が71で、名古屋が58。1点でも多く取っておきたいチーム事情に田中が応えた形だ。この結果、今節を終えて柏は得失点差+20、G大阪は同24、名古屋は同26と縮めることに成功した。

「チームは勝っていたけど、自分はパフォーマンスが悪くて悔しい思いをしていた。自分がチームを勝たせたい思いがあった。これからもっと点を取ったり、前線からの守備やキープで貢献したい」と田中。残り3試合に全勝すれば柏の優勝が決まるが、田中が完全復活を果たせば、Vの可能性がさらない高まる。

(取材・文 近藤安弘)

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