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[選手権予選]執念の守り!桐光学園が1点死守して神奈川決勝へ

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[11.6 第90回全国高校選手権神奈川県大会準決勝 桐光学園1-0座間 等々力]

 第90回全国高校サッカー選手権神奈川県大会は6日、川崎市の等々力陸上競技場で準決勝を行い、前回優勝の座間と桐光学園との一戦はFW佐野弘樹主将(3年)のFKで挙げた1点を守った桐光学園が1-0で勝利。3年ぶりの全国切符獲得を目指す桐光学園が、12日に三浦学苑と対戦する決勝(ニッパ球)へ進出した。

 執念の勝利だった。桐光学園は前半32分、左サイドから中央へ放り込んだ佐野のFKが誰にも触られずにそのままゴールへと吸い込まれる先制ゴール。「味方が競ってくれたおかげ。1バウンドで蹴れば取りにくいと思った」という幸運な一撃でリードを奪う。

 座間のかけたプレスをかいくぐりスペースへ飛び出した佐野やFW高橋孝友(3年)、そしてセットプレーから得点機をつくっていた桐光学園だが、後半16分に高橋孝の突破と右クロスからMF橋本裕貴(2年)が放ったヘディングシュートや18分に再び高橋孝の突破から佐野が放った右足シュート、そして29分のSB大田隼輔(2年)のヘディングシュートなどビッグチャンスを立て続けに逃したことで相手を突き放すことができない。

 逆にMF田辺幸優(3年)のキープ力をアクセントにロングボールで押し込んでくる座間に押し込まれる展開となった。だが後半14分に右FKのこぼれ球から座間CB平野達也(3年)がゴール至近距離から放った決定的な右足シュートはGK北村征也(2年)が距離を詰めて身体全体でストップ。そして後半ロスタイムのGK頭上を襲ったMF佐藤博紀(3年)の一撃は、北村が再びワンハンドではじき出す。大学受験のため守護神・山下耕司(3年)が欠場した桐光学園だが、代役の2年生GKやCB高橋将吾(3年)らの好守で何とかゴールを守り続ける。

 そして、ラストプレーとなった右CK。好セーブを続けてきたGK栗山雅俊(3年)も前線に上がって同点ゴールを狙った座間は、混戦から左サイドでフリーとなった田辺のシュートがクロスバーを叩く。さらにこぼれ球になだれ込んだ白いユニフォームから放たれた渾身の一撃は、ゴールライン上で桐光学園MF松井修平(2年)がスーパークリア。直後にホイッスルが鳴り響くと、崩れ落ちる座間イレブンの隣で桐光のスカイブルーが喜びを爆発させた。

 決勝進出と3年生の引退もかけた迫力十分の攻防戦を制した桐光学園の佐熊裕和監督は「厳しかった。取れるときに取れなかったのは反省点。手ごたえ? ないですね。(負けることを怖がって)バタバタしてしまっている」と厳しいコメント。今夏の全国高校総体ではライバルの桐蔭学園が全国制覇を成し遂げた。主将の佐野は「近くの学校が優勝してくれた。神奈川に注目が集まったのはうれしかったけど、悔しい思いをしてきた。練習で最後声が出るように意識してきた。(桐蔭学園は敗退したが)どこも差がないと思っている。自分たちは一つひとつ集中してやっていきたい」。桐蔭学園の敗退によって混戦となった神奈川予選。悔しさをバネにトレーニングを続けてきたもうひとつのV候補が頂点に立つ。

[写真]後半ロスタイム、桐光学園・松井(右手前)が身体を張ったスーパークリア

(取材・文 吉田太郎)

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