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[選手権予選]清水MFの兄、枝村監督率いる三浦学苑が初の決勝進出:神奈川

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[11.6 第90回全国高校選手権神奈川県大会準決勝 三浦学苑3-2横浜市立東 等々力]

 第90回全国高校サッカー選手権神奈川県大会準決勝、三浦学苑対横浜市立東戦は3-2で三浦学苑が勝ち、初の決勝(12日、ニッパ球)へ進出した。

 清水エスパルスMF枝村匠馬の兄・枝村隼人監督の下、初の4強進出で一気に全国初出場を目指す三浦学苑と準々決勝で全国高校総体優勝の桐蔭学園を4-3で沈めている横浜市立東。ともに初の決勝進出を懸けた両校の注目対決を制したのは前半に奪った3点で大きなアドバンテージをつかんだ三浦学苑だった。

 三浦学苑は前半4分、CB宮坂瑠(2年)の左クロスをファーサイドから飛び込んだMF橋本拓也(2年)が頭で決めて先制。その後も三浦学苑は準々決勝決勝ゴールのMF木村哲太(2年)、MF野村徹(2年)らの正確なボールタッチから繰り出すスピーディーなパスワークで主導権を握った。前半26分にはMF栗原奨吾(2年)の左クロスを東GKがパンチングするもこれが目の前のDFに当たりゴールへ吸い込まれるラッキーな得点。さらに前半ロスタイムにもサイドチェンジからSB斉藤優斗(2年)と木村のコンビで左サイドを攻略し、木村のクロスから橋本が頭で2点目のゴールを奪った。
 
 不運な失点もあり前半自分たちのサッカーができなかった東。桐蔭学園戦で見せたパフォーマンスとは別のチームのようだったが、「気持ちの部分を変えた」(DF須山亮主将)後半、桐蔭学園を飲み込んだ攻撃力で一気に点差を詰めた。まずは4分、MF赤坂匡祐(3年)が左サイドから放り込んだアーリークロスに桐蔭学園戦3得点のFW小野拓馬(2年)が頭で合わせて追撃ゴール。さらに9分にはMF中川詠介(3年)の右足ミドルが相手DFに当たってコースが変わり、そのままゴールへと吸い込まれる。

 最前線に構える10番FW大野哲太(3年)を起点にダイナミックにボールを動かす東は12分にも大野が決定的な右足シュートを放つなどイケイケムード。ただし、三浦学苑はシンプルにボールを跳ね返し、前線でFW高城翔伍(2年)ら技術の高い選手たちがキープするなど、火のついた東の勢いを巧みにかわすとその後のシュートは試合終了間際に中川が放った右足FK1本に封じて逃げ切った。

 チームの歴史をまたひとつ変えた三浦学苑の枝村監督は「うれしいですけれど、まだ何もつかんでいません。現状に満足することなくやりたい。チャレンジャー精神をもって最後まで勝つことを大切にしたい」。CB大橋琢也主将(3年)も「自分たちは常にチャレンジャー。でもやれるという意識しかない。選手権で優勝したい」。決勝で対戦する桐光学園は、過去の全国大会で決勝進出を経験するなどこれまでで最大の敵。ただ昨年は今年以上にタレント揃いだった桐光学園と延長戦へもつれ込む熱戦を展開しているだけに怯むつもりはない。強敵を今度こそ打ち倒して神奈川の歴史を変える。

(取材・文 吉田太郎)

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