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タジキスタンvs日本 試合後の選手コメント

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[11.11 W杯アジア3次予選 タジキスタン0-4日本 ドゥシャンベ]

 ブラジルW杯アジア3次予選は11日、各地で第4戦を行い、日本代表はアウェーでタジキスタン代表と対戦し、4-0で快勝した。前半37分、DF今野泰幸の国際Aマッチ初ゴールで先制すると、後半16分にFW岡崎慎司が追加点。同37分には約5ヵ月ぶりの代表復帰となったFW前田遼一が途中出場で3-0とするゴールを決め、ロスタイムにも岡崎が加点した。
 日本は3勝1分の勝ち点10に伸ばし、3次予選突破に大きく前進。日本時間22時にキックオフされるウズベキスタン対北朝鮮の試合でウズベキスタンが勝てば、2試合を残して日本とウズベキスタンの2位以内が確定し、最終予選進出が決まる。

以下、試合後の選手コメント

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
―2ゴール取った。
「前半で何度もチャンスはあったので、そこで決められたら良かった。最初はリズムがつくりにくかったが、自分たちのリズムになったところで今ちゃん(今野)が決めてくれてうれしかった。自分のゴールは(香川)真司がいいパスをくれたので、決めるだけだった」
―やはりアウェーは難しい?
「相手はこちらのホームのときとは違った。体を張ってやってきていたし、いいシュートもあった。アウェーで4-0というスコアで勝ったのは大きい。ただ、相手がウズベキスタンくらい強かったら1点くらいやられていたかもしれない」

●FW前田遼一(磐田)
―久々のゴールだった。
「(中村)憲剛さんがスペースを空けてくれたので打てた。周りから打てという声が聞こえていたし、決められて良かった。ただ、それはうれしいけど、長い時間、試合に出られるようにしたい」
―監督からの指示は?
「練習中から1トップの選手は深さをつくれと言われていたから、まずはそのプレーをして、それから動き出しを意識した」
―ハーフナーが出ている時間帯を外から見ていてどうだった?
「マイクがタメをつくれていないとは思わないけど、僕が出たらタメをつくって、運動量も多くしようと思っていた。周りにも動いてくれる選手が多いので。僕はハーフナーより背が高くないから動こうと思ってやっていた」
―ベンチで見ていた前半の印象は?
「日本はチャンスが多かったから悪いとは思わなかった」
―次の北朝鮮戦に向けて。
「FWだから点を取れるように頑張りたい」

●FWハーフナー・マイク(甲府)
―難しい立ち上がりだった。
「雰囲気もタジキスタン寄りだったし、相手も気持ちが入っていて、ホームでやったときとは別のチームだった。グラウンド状況というのもあって、ミスもあるだろうからケアしていこうと思っていた」
―自分の出来については?
「今日はあまり良くなかった。ミスもあったし、ボールをもう少しおさめたかった。もう少し攻撃に絡みたかった」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
「相手のチャンスで危ない場面もあった。ホームのときと違って、相手の勢いがあった。グラウンドは悪かったけど、その中でもつないで崩していこうとしていたし、いつかは点を取れると思ってやっていた。焦りはなかったし、チーム全体としてそうできていたので、問題はなかった」
―慎重にプレーしているように見えたが?
「相手が引いていたし、自分とヤットさん(遠藤)、(中村)憲剛さんで3対2がつくれていたので、隙ができたら上がっていこうという感じで、あまりガンガンいくということはなかった。セカンドボールももっと取れれば良かった」
―裏を狙うパスが多く見受けられたが?
「逆サイドからボールをもらったら裏が空くことは分かっていたので、今日は試合前から憲剛さんとそこを狙っていこうと話していた」
―4-0という結果だったが?
「今日に関しては、これくらいならミドルシュートで2点くらいは取りたいなというのはある。余裕を持って回せていたけど、きれいに崩していこうという思いが強かった」
―先制点が入るまでは難しかった。
「早い段階でミドルシュートで1点取られていたらもっと難しかった。今ちゃん(今野)が上がっていたので、点を取れた。あそこにいたから取れたと思う。リスクマネジメントは必要だけど、リスクを冒していくことも必要」
―このあとの試合(ウズベキスタン対北朝鮮)で最終予選進出が決まる可能性もあるが?
「でも、引き続き自分たちが成長するためにはアウェーでの試合は経験になるし大切。残りの2試合も、(最終予選進出が)決まる、決まらないに関係なく、目的を持ってやっていきたい」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―試合を振り返って。
「立ち上がりの入り方が良くなかった。それから相手が(攻めて)来るのは想定していたから、もう少しボールを落ち着かせられれば。縦に急ぎすぎたところもあった。深いところまで攻めても簡単にセンタリングを上げてしまった場面もあった。相手にとって守りやすい攻撃をしてしまったところがあるから、そこは反省点。こういうアウェーの戦いで避けなければいけないことをしてしまった」
―中盤の3人(遠藤、長谷部、中村)のところでミスが見られたが?
「途中からは良くなったけど、最初の方は全体的にミスが多かった。ピッチコンディションもあるけど、ある程度はフリーでできたから。あとは単純なミスをなくせば、もっと簡単に試合を進められたかなと」

●DF今野泰幸(F東京)
―54試合目での初ゴールだった。
「もう代表では点を取れないのではないかと思っていた。大事な試合で1点目を取れて良かった。初ゴールを取りたいとは思っていなかったけど、難しい試合で自分が点を取ってチームが楽になったことがうれしい。最高の気分です」
―あそこによく詰めていた。
「いいインターセプトができたので、パスコースを探して上がった。自分はドリブルができないので」
―前半は苦しんだ?
「立ち上がりは良くなかった。もっと集中して、どういうプレーをするのか、はっきりできればよかったけど、日本はつなぐのがスタイルなので、ある程度は仕方ない。相手も日本のホームでやったときよりモチベーションが高くて、難しかった」
―無失点勝利だった。
「結果的に失点ゼロで抑えられたのが良かった。ただ、前半に何度か危ない場面をつくられたし、リスクマネジメントとか、ラインの上げ下げなど、細かいことを言ったらまだ課題がある。ビデオで監督が修正してくれると思う。まだまだ完成度は低いと思う」
―やはり前回とは違った戦いになった?
「相手もホームで、お客さんもたくさん入っていたし、勢いもあった。前からプレッシャーをかけてきたので、すごく難しい試合になりました」
―あらためてアジア予選の厳しさを味わったと思うが、次に向けての意気込みは?
「やっぱりアウェーになると、全然ホームとは違う雰囲気になるし、相手のモチベーションや勢いも違ってくるので、アウェーはなかなか難しいなと感じています」
―荒れたピッチでの対応は?
「トラップとか1タッチではかなり慎重になる、そのへんは難しかったんですけど、戦術練習で確認はしていたので、対応はできた」
―今日の一番の課題というのは?
「前半の立ち上がりは良くなかったし、アウェーのああいう雰囲気で、先に点を取られるとかなり難しい試合になってしまうので、立ち上がりから集中して、自分たちが試合を支配するのか、あるいはセーフティなプレーをするのかとか、はっきりしたプレーをしなくちゃいけないと思います」
―守備の部分では? ザッケローニ監督のセオリーは今野選手も理解してきていると思うが、色々なシチュエーション、今日のようなボールの失い方とか、アクシデントの対応などでまだ課題が大きい?
「そうですね。でも、つなぎながら攻撃するのは日本の特徴なので、その中でもミスは起きてしまうと思うし、今日も何度かありましたけど、後ろがリスクマネジメントはできていたから、SBも気を使って一人残すというのはしてくれたし、ボランチのヤットさん(遠藤)とかもすごい気を遣ってくれた。だからあまりカウンターにつながらなかったと思うし、そこはまあまあできたところかなと思います」

●DF内田篤人(シャルケ04)
―ピッチ状態はどうだった?
「(ピッチが)濡れていればもう少しよかったけれど、それよりもブレ球の方がすごかった。ロングボールが全部ブレ球だった。本田さんがいっぱいいた(笑)。ダフっちゃうからブレ球になるんだと思う。曲げようとするボールが、芯をとらえて。グラウンドよりもブレ球の方が……」
―先制点が入るまでは難しい試合だったが?
「ホームで戦ったときは、先制点がさくっと入ったから上手くいったけど、流れができるまではポストに当たる危ない場面とかもあったし、ミスから上手くリズムがつくれない時間があった。点が入って落ち着いてパスが回せればという感じ。ただ、点が入るのを待つんじゃなくて、自分たちで点をもぎ取ってリズムをつくるようなレベルになれればいい」
―1点目は“もぎ取った”と思うが?
「あれだけバランスを取れと(監督から)言われていたのに、今ちゃん(今野)がめずらしくあんなに前に行ったから(笑)。まあ、(点を)取れればだれでもいいですけど。監督からの指示は、とりあえずバランスだけだったから。左サイドはグイグイいっていたから、僕はバランスだけ取れればと。足もあまりいい状態ではなかったから。最後は代えてくれたけど、長丁場だから、うまくやれれば」
―ピッチの状況を見てプレーしたのか?
「つなげられればつないだ方がいいけど、後ろから見ていて最後の方は細かいプレーが多かったかなと。相手も中に集中していたから、もう少しロングシュートだったりワンツーで崩したり。前田さんなんかシュートが入ったし。清武が入って、上手く崩そうとしていたけど、相手の集中が切れないとできないプレーだから、もう少しゴール前は大胆でも。相手が(ボールを取りに)来ないと持っちゃうのは僕もそうだから分かるけど、相手が来ない分、ワントラップ、ツートラップして顔を上げたりとか、リズムが出てくれば、こういう相手とやるときはいい。これから戦う相手は、なかなかそうはいかないと思う」
―最初は慎重にパスを回していた。
「監督がベンチの前でバランスのことを言っていたから、そこだけ気にしながらやっていた。(両サイドが一緒に上がるなということを)すごく言われた。いつも言われているけど、いつも以上に。そこは気にしていた」
―ウズベキスタンに勝ってほしいという気持ちは?
「まあ、あまり相手の勝利を祈ることはないから。Jリーグのときも同じだけど、結局最終戦までもつれるから、あまり期待せずに。(最終予選進出が)決まったらラッキーだけど。難しいことは監督がやってくれるから、僕たちは次に向けて」
―足の状態は?
「まだ完全ではない。肉離れが初めてだったし、ストレッチをするとまだ痛い。肉離れした場所というより、他のところが。それで監督も代えてくれたのだと思う」

●DF吉田麻也(VVV)
―試合の入り方については?
「ある程度難しくなるのは想定していた。思った以上に攻められたし、1点取るまではすごく危険な状態が続いていた。でも、結果的にゼロで抑えられたし、4点取れた。1点取れて楽になったかな。後半も2点目を早く取れたのは大きかった。そのあとはほぼ僕らのペースで試合を運ぶことができた」
―どうすれば良かった?
「やっぱりボールを失う回数が多かったし、失い方も良くなかった。もっと僕らがボールを回すべきだったし、しっかり高い位置でボールを回したかった。ボールを奪われたときのリスクマネジメントも必要で、相手にいい形で攻撃させないような準備をしておくべきだった。もちろん準備はしていたけど(ボールの)取られ方が良くなかった。あとは相手がロングボールを放り込んできて、セカンドボールが拾えなかったというところも。ミドルシュートをバンバン打たれてしまったから」
―ロングボールを気をつけようという意識があったのか?
「そう。そこしかないと思っていたから」
―少し下がり過ぎた部分もあったようだが?
「相手が2トップ気味だったから、僕と今ちゃん(今野)ともう一人、SBが残る形をつくりたかったけど、攻める回数が多くて、両サイドが上がってしまうところがあった。たまに、(相手FWとDFが)同数になってしまうところがあった。ハーフタイムにもっとポジションに気をつけようという話をして、後半は修正できた。ただ、リスクマネジメントの部分は前半からもっとやっておくべきだった」
―試合中にザッケローニ監督がDFラインに指示を出していたが?
「同じ話。同数にならずに一人余らせろと言われた」
―ピッチ状態に気を使う試合となったが?
「特に前半はみんな苦労した。後半は慣れてきた。ボールが無回転になることが多かったから難しかった」

●GK川島永嗣(リールス)
―相手が前回のホームと違い攻撃的に来た。
「立ち上がりのところで、向こうが前からプレッシャーをかけてきたところで、うまく入れなかったかなと思います。ただ、逆に落ち着くまで自分たちもゲームコントロールができて、結果的に4点取ることができた。90分を通して言えば、ちゃんといい試合をできたんじゃないかと思います」
―相手の3トップが前に残っていて、競り合いからボールがこぼれて拾われる場面があったが?
「自分たちも点を取りにいくし、ただ後ろはしっかり守備でやろうと話をしていたので、グラウンドのせいでミスがあったところでも、次の選手がカバーしたりとか、そういう部分ができていたので、個人のところだけでなく、チームとしてカバーし合うことができたのは良かったと思う」
―前半はGKからどう見ていたか?
「ああいう時間帯で一人ひとりがディフェンスの意識を持つことがすごく大事で、今日も攻撃だけじゃなくて、いい守備から入ろうという話はしていた」
●FW香川真司(ドルトムント)
「前日練習でピッチの状況は分かっていたので、いつも通りにやった。アウェーで4-0は悪い結果ではない。相手どうこうより自分たちのサッカーをすることを心掛けた。でも、いつどういうバウンドをするかわからないので、集中してやった。相手はホームでやったより、勢いがあった」
―次の試合に向けて。
「北朝鮮はもっと強いので、もっと難しい試合になる、うまく連動した形から崩したい」
(取材・文 矢内由美子)

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