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日本vsタジキスタン 試合後のザッケローニ監督会見要旨

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[11.11 W杯アジア3次予選 タジキスタン0-4日本 ドゥシャンベ]

 ブラジルW杯アジア3次予選は11日、各地で第4戦を行い、日本代表はアウェーでタジキスタン代表と対戦し、4-0で快勝した。前半37分、DF今野泰幸の国際Aマッチ初ゴールで先制すると、後半16分にFW岡崎慎司が追加点。同37分には約5ヵ月ぶりの代表復帰となったFW前田遼一が途中出場で3-0とするゴールを決め、ロスタイムにも岡崎が加点した。
 
以下、試合後の監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「我々には欲しかった勝利だった。今日の試合でも、我々は少ないチャンスではゴールを決め切れないチームだなという印象を受けた。前半はタジキスタンが非常に集中してゲームに入ってきて、ロングボールからセカンドボールを拾われて、いくつかチャンスをつくられたわけだが、われわれのDFとMFの間の距離感が少し広かったように思う。後半になってスペースができてきて、2点目を取ってからはメンタル的にも楽になり、さらに2点追加することができた。この勝利は我々にとっては非常に重要だ。次の北朝鮮戦に向けて、いい勝利になったと思う。
 そして、この場を借りて、タジキスタンの国民の皆さん、そして協会の皆さんにお礼を言いたい。我々がこちらに到着してから今日に至るまで、非常に快適でいいホスピタリティーを提供してくれたので、われわれも快適に生活することができた」

―日本での試合とどんな違いがあった?
「ホームでの試合とは違った内容になるとは想定していた。日本で戦ったときはかなりディフェンシブなサッカーをしてきて、今日はカウンターで何度も前に飛び出してきた。いいチームだと思った」

―タジキスタンは今後、大きな大会に出ることはできると思うか?
「アジアのサッカーのレベルはどこも上がってきている。その理由は、ベースに良いフィジカルがあり、良い走力があるからだ。ただ、国内のサッカーを発展させるためには、国内リーグの強化が必要不可欠だと思う」

―あなたがタジキスタンの監督だったら、今日の試合はやはり難しかったか?
「私は日本の監督であり、タジキスタンの監督ではないので何も話すべきことはない。当然、タジキスタンの監督の方が、自分のチームのことをよく分かっていると思う」

以下、日本人メディア向けの囲み取材
「ポイントは3つある。まず、ホームのような試合にはならないことは想定内だった。ああいった試合になるとは思っていなかった。2つ目は、なかなかスピードが出ないピッチコンディションだったこと。3つ目は、試合へのアプローチでミスはなかったかということ。その3つのうち、1つもミスはなかったと思うし、先ほども言ったが、我々は少ないチャンスで点を決められるようなチームではなく、できるだけ多くのチャンスをつくってゴールを決めるチームなのだと思う。この間のホームの8-0の試合も、試合内容を見ていない人には、8点も決めるなんて決定力があるなと思ったかもしれない。しかし、29本のシュートを放っての8点だった。そういった中でもチームが成長して、たくさんのチャンスをつくっていければいいと思う」

―点がなかなか入らなかった。
「前半、なかなか点が入らなかったときに思ったことはゲームは日本が進めていたので、あの状況では我慢が必要だった。引き続きコンパクトにまとまって、チームとしてプレーを続けるべきだと思った。というのも、なかなかチャンスが決まらないとき、チームはバランスを崩しがちなので、そこはケアした。バランスが崩れると結果も変わってくる」

―ハーフタイムの指示は?
「バランスを保って、特にバイタルのところでフリーになろうという指示は出した。そこで数的優位をつくれていたので、どんどん入っていこうという話はした」

―前田投入の意図は?
「ハーフナー選手のところになかなかきれいなボールが入らなかったので、もう少し前線でダイナミズムをつくってくれる選手、運動量があって動きながらボールが触れる選手を入れようということで彼を投入した」

―悪いピッチによって、選手のプレーの質にバラつきがあったように見えたが?
「私としては技術的には特にそうは思っていない。ピッチがこういう状況だと、プレースピードが微妙なところで狂いが生じてしまう。それに対応できるかどうかがテーマで、問題はそこにあるのではないかと思っている。4点目のゴールに象徴されるように、うちがいいタイミングではまれば、3本、4本つないで、ああいった形でゴールに向かっていける。ただ、今日はピッチが難しかった。また、向こうが結構ロングボールを入れてきて、セカンドボールを拾ってカウンターを狙ってきた。そこのところで、うちのディフェンスラインが2対2の状況になっていることが多かった。後方のリスクマネジメントをしなければならないということは頭の中にあった。ただサッカーというものは、もし攻撃的にいきたいのであれば、どこかでリスクをかけていかなければならないので、ある程度は仕方がないとは思う」

―全体を通じて。
「総括すると、我々にはバランスと勇気が不可欠であるということだ。今日も、いつもそれはあると思う。良かったり悪かったりすることはあるが、そこに必ず存在している。特に勇気は常にある。バランスはたまに崩れることはあるが」

(取材・文 矢内由美子)

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