beacon

[MOM500]佐賀東MF中原優生(3年)_佐賀代表の「絶対的支柱」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.12 第90回全国高校選手権佐賀県大会決勝 佐賀東1-1(PK3-2)佐賀北 ベアスタ]

 主将の存在感が最後まで光った。前半はゲームメーカーとして攻撃をけん引し、ポスト直撃のヘディングシュートを放った。後半はドリブル突破でもチャンスメーク。攻守のキーマンであることは1試合見ればハッキリする。

 MF中原優生(3年)は佐賀東の絶対的支柱であり、蒲原晶昭監督も一目置く存在だ。憧れの選手はガンバ大阪の遠藤保仁。「攻撃面が評価される選手だと思うけど、ビデオでよく見ると守備も運動量もすごい。そういうところを目標にしている」と話す。

 決勝戦でも彼のプレーは光った。ただ、この試合で存在感が際立ったのは、プレーの面よりもPK戦で精神の強さを見せた瞬間だった。自身は2本目を蹴ったが、相手GKに止められた。落ち込まずにはいられない状況だったが、立場を見失わずに戦い続けていた。相手の5人目が外した後、決めれば全国切符獲得となる状況でペナルティスポットに向かったのは、佐賀東の2年生DF古賀弘祐。何度も自分の顔をたたく姿に、緊張感がありありと見られた。すると、中原は古賀を呼び止めて近寄ると短くメッセージを伝えた。視線に力の入った古賀はPKを成功。佐賀東は夢をつかんだ。

 大一番で呼び止められることで緊張感が増す可能性もあったが、ウイニングキッカーとなった古賀は即座に否定した。「いや、それで緊張するということはなかったです。優生さんが、『オマエなら決められる』と言ってくれたので、嬉しくて自信を持って蹴ることができました。佐賀東と言えば優生さん。一番頼りになる」と絶大な信頼を示した。

 プレー以外でも落ち着いた対応でチームに貢献した主将は、次なる舞台でもチームが力を発揮することを信じている。中原は「選手権では1、2年生に良いプレーを見せたい。1年生のときに選手権に出させてもらったけど、この学年でしっかりと力を発揮したい。国立に行くまで負けられない」と力強く言い切った。この冬、「佐賀東に中原あり」は全国的に知られることになるかもしれない。

(取材・文 平野貴也)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2011
佐賀大会特集

TOP