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[MOM502]東久留米総合FW佐々木翼(3年)_2発の「もってる」エースがボランチ、CBの3役で東京制覇

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.6 第90回全国高校選手権東京都Aブロック大会決勝 東久留米総合2-2(PK5-4)関東一 西が丘]

 前身の久留米高監督時代に現日本代表MF中村憲剛(川崎F)を指導している齋藤登監督が「いつも外しているのにやってくれた。あいつは『もってる』」と評した背番号10。今大会ここまで5得点もチームを勝利へ導くだけの活躍をすることができておらず本人も不満だった。だが、MF佐々木翼主将(3年)は全国をかけた大一番で2得点を含む獅子奮迅の活躍でチームを東京のタイトルをもたらした。

 まずは前半19分に左サイドで得たFK。「誰か触ってくれれば」と右足で中央へ放り込んだFKは中央へ飛び込んだ両チームの選手たち、そして相手GKの指先を抜けてゴール右隅へと吸い込まれる(写真)。今夏の全国高校総体予選準決勝・國學院久我山戦でも同点FKを決めているエースは再びFKから貴重なゴールを決めた。そして後半18分にはSB多田和明の縦パスで強引に相手DFの前に入り込むと、そのままGKの頭上を射抜く鮮やかな左足ループ。「GKが出ていたのが見えていた。上手くいってよかった」と振り返ったゴールでチームを勝利へと近づけた。

 このあと、メンバー交代に伴い、未経験のボランチ、そしてCBまで務めた佐々木。同点に追いつかれたあとはGK野中優志が治療のために10分以上ピッチを離れ、その間多田がGKとしてゴールを守るという非常事態だった。それでも勘のよさを発揮した佐々木は相手のドリブルのコースを遮ってブロックするなど、勝ち越しゴールを与えなかった。「気合いで乗り越えました」と3役をこなして攻守で勝利の立て役者となった。

 09年度の千葉国体では東京都選抜の一員として日本一を獲得。「もってる」男は「自分はこれと言った特長がないのでチームのために何ができるか考えてやる」。東京を代表するタレントは夏冬東京制覇を達成した。次は久留米高時代を含めて一度も勝利の全国舞台での勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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