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[MOM503]國學院久我山DF巽豪(2年)_「ミス取り戻す」ダイブHで“優勝決定弾”

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.12 第90回全国高校選手権東京都Bブロック大会決勝 國學院久我山3-2(延長)早稲田実 西が丘]

 このままでは終われなかった。2-2で突入した延長後半ロスタイム、國學院久我山の歓喜の中心にいたのは2年生CB巽豪だった。1-0の後半30分に自陣で痛恨のパスミスを犯し、同点の原因をつくってしまっていた背番号2。FW右高静真(3年)の右FKに対して相手のマークが緩いことを確認した巽は「マークがいなかったのでニアへ飛び込もうと。自分のミスで取られていた。取り返したい、自分が決めてやろうと思って飛び込みました」と低い弾道のボールに頭から飛び込む。するとボールはゴールへ突き刺さる“優勝決定弾”となった。

 白とオレンジの歓声の下へ走り出した巽をスタンド最前列の控え部員たちが身を乗り出して迎え入れる。「夢みたい」と振り返った2年生DFの興奮は試合後もなかなかおさまらなかった。パスミスしたときは「頭が真っ白」の状態。「自分がミスしていなかったらふつうに勝っていたと思う。3年生に申し訳ないと思った」というヒーローを先輩たちは「自作自演だな。よくやった」と笑い飛ばしてくれた。

 本来はボランチだが、怪我による離脱後はCBで起用されるようになった。1本のパスの重要性を改めて痛感したCBは「全国ではまず無失点に抑えたい。早稲田の分まで頑張る」。記憶に残るゴールでチームを全国へ導いた巽。チームにとって3年ぶりとなる全国では攻守両面での活躍で勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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