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松本山雅が2戦連続の“ジャイキリ”で初の16強!4回戦は運命的な横浜FM戦で「マツさんも見てくれると思うので頑張りたい」

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[11.16 天皇杯3回戦 新潟0-1松本山雅FC 東北電ス]

 また“ジャイアントキリング”に成功だ。JFLの松本山雅FCが、J1のアルビレックス新潟を1-0で下し4回戦に進出した。新潟のホームで行われた試合だったが、前半5分にCKからDF多々良敦斗がヘディングシュートを決め、これを守り切った。2回戦の横浜FC戦に続き、クラブ史上初となるJリーグ勢の連破で初の16強を達成。試合後のインタビューで加藤善之監督は「選手たちはよく戦ってくれた。タフな子たちが揃っているので、気持ちを前面に出して戦ってくれた」と目を細めた。

 横浜FCだけでなく、08年には湘南、09年には浦和とJリーグ勢を倒してきた“実績”がある松本山雅FC。それだけに、この日もファンは勝利を期待した。システムは4-4-2でFW木島良輔、FW塩沢勝吾、MF久富賢、DF飯尾和也ら元Jリーガーを中心に布陣を組んだ。立ち上がりから積極的にプレスを掛け、ほぼベスト布陣の新潟を脅かしたが、開始5分で先制に成功した。

 右CKのチャンスでDFイ・ジェミンの左足のキックに、DF多々良敦斗がマークを振り切ってニアサイドに飛び込みヘディングシュート。「マーカーがちょっとずれてたので、ボールが来ればいけると思った。ナイスボールが来ました」と試合後のインタビューで語った多々良。値千金の先制弾を奪うと、これで松本山雅FCがペースを掴んだ。

 2トップの木島良と塩沢を先頭に前からプレスを掛けて新潟のパスコースを消し、前線にいい形でボールを入れさせなかった。前半19分にはボール奪取からショートカウンター。久富が右サイドを仕掛けて最後はMF木村勝太がシュート。惜しくも外れたが、必死のプレーでリズムを保ち続けた。出足鋭いプレスとブロックを作っての守備が発揮され、新潟に自由に攻撃をさせなかった。追加点は奪えなかったが、いい形で前半を折り返した。

 雨が強くなってきた後半も、松本山雅FCは運動量が落ちず、新潟を苦しめる。新潟は後半、MF田中亜土夢に代えてFW川又堅碁を投入。また終盤にはFWアンデルソンを投入するなどリーグ戦さながらのメンバーで松本山雅FCを追い込んできた。後半に入ってボールは支配されたが、守備は最後まで崩れず。松本山雅FCは運動量と球際の必死さを90分間発揮し、1-0の逃げ切り勝利をつかんだ。

 ヒーローの多々良は「みんな一丸となって戦おうと言っていた。勝ててよかったです。1点取って、そのあとすぐ入れられたら意味が無いので、後半はみんなで集中して入ろうと話していた」と声を弾ませた。松本山雅FCは現在JFLで5位で、J2昇格を争っている。加藤監督は「次にいい形で繋げられたゲーム」と喜んだ。

 08年以来となる次戦12月17日の4回戦は、J1の横浜FMと対戦する。運命的にも、今季から松本山雅FCに加入し、8月に急性心筋梗塞で亡くなられた元日本代表DF松田直樹さんの古巣。選手たちは、松田さんのためにも対戦実現を望んでいたが、チーム一丸で叶えてみせた。多々良は「マツさんも見てくれると思うので頑張りたいと思います」と意気込みを語った。とはいえ、その前にJ2昇格をかけたJFLの戦いがある。4位以内の確保に向け、この日の勝利を弾みとしたい。

 一方の新潟は、最後まで松本山雅FCの運動量、必死さに苦しんだ。ただ、決定機はあった。前半25分にFWブルーノ・ロペスがPA内正面でのシュートを浮かせたり、後半16分にMFチョ・ヨンチョルのPA内左からのシュートが防がれたりとツキがなかった。新潟は今後、19日にG大阪、27日に甲府、12月3日に名古屋とJ1優勝&残留を争う強敵との対戦が控える。まだJ1残留が確定しておらず、この敗戦をリーグ戦引きづらないようにしたい。


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