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[選手権予選]野洲の7連覇阻止!滋賀は守山北が8年ぶりV!!

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[11.19 第90回全国高校選手権滋賀大会決勝 野洲1-3守山北 皇子山陸上競技場]

 守山北が野洲の7連覇阻止し全国へ!! 第90回全国高校サッカー選手権滋賀県大会は19日に皇子山陸上競技場で決勝戦が行われ、守山北が3-1で7連覇を目指した野洲を下し、8年ぶり5度目の全国出場を決めた。

 長きに渡って越えられなかった高い壁を守山北がついに打ち破った。降り続く雨の影響でピッチのいたる所に、水たまりができ、両者ともに持ち味の繋ぐサッカーが出来ない。その中で序盤、ペースを掴んだのは野洲だった。ピッチコンディションを配慮し、2バックで後方からしっかり繋ぐ本来の“セクシーフットボール”から大きく方向転換。立ち上がりから、U-17W杯日本代表MF望月嶺臣(2年)を起点に速く大きく前線にフィードを送り込み、FW加藤臣哉(3年)ら攻撃陣がスペースへ飛び込んでゴールを狙いにく。

 そして前半9分には中央の望月から左のMF武田侑也(2年)へ展開し、武田が相手DFをかわしてゴール前にクロス。PA内へ飛び込んで受けたMF布施俊樹(3年)がドリブルで抜け出し、落ち着いて先制点を決めた。

 立ち上がり早々に失点した守山北だったが、渡辺建一監督が「目が覚めた」と話したように、ここから徐々に試合の主導権を握っていく。鍵となったのが同じ野洲と戦った高校総体予選準決勝。スコアは0-3で負けてしまったが、後半は守山北が終始ペースを掴んでいた。この試合で得た経験を生かし、試合前から狙っていた「一旦サイドでボールを持って、2バックの背後に蹴る。そのボールを2トップが飛び出して、狙いにいく」(渡辺監督)という作戦が機能していく。

 31分にはディフェンスラインでのカットから大きく蹴ったボールが相手DFの背後に転がり、FW中村陸(3年)がフリーで突破。GKとの1対1を迎えるが、水を含んだピッチに足をとられ、シュートは左にそれていく。この後もロングフィードから決定機を迎えるが、1点が決められずに前半が終了した。

 それでもハーフタイムに作戦を再確認して挑んだ後半、怒涛の攻めで守山北が野洲を押し込む。まずは4分、守山北が後方から蹴り込んだボールを野洲GKが前に出てクリアするも、ボールは距離が出ず、PA手前の守山北MF辻本駿太(2年)の足元へ。すばやく、ミドルを狙うもこれは枠の上へ外れた。さらに8分、守山北が放った左からの低いクロスに野洲GKが前に出てキャッチにいくも、勢いが止まり、手前で中村がカット。無人のゴールを狙うも、シュートの勢いはなく、戻ったDFにクリアされた。

 それでも後半14分、待望の同点ゴールが生まれる。左サイドの混戦から中村が抜け出し、ゴール前にパス。ボールはキャッチに出たGKの脇を抜けて、PA中央でフリーのMF小林太朗(3年)の足元に収まり、小林は落ち着いて無人のゴールに叩き込んだ。

 さらに守山北は直後の17分、左スローインからの相手のミスパスをDF国友航樹(3年)が中央で奪い、素早くDF裏へロングパス。GKが前に出てキャッチに入るが、雨でボールが滑り、こぼれたボールを中村が詰めて、逆転に成功した。

 逆転された野洲は攻撃に人数をかけ、1点を奪いに出るが、守山北はボランチがムリして前に出ないことで相手をケア。逆に、「後ろが空いたことで攻めやすくなった」(渡辺監督)ことで、狙っていたサイドからの攻撃も機能していく。そして33分、右サイドをFW立本修平(2年)、DF田中誉之(3年)と繋いで中へ送ったクロスを中央で受けた途中出場のFW山中宏基(3年)が決め、3-1と相手を引き離した。

 その後も最後まで諦めない野洲の攻撃をしっかり耐えて、優勝を決めた守山北。去年の公式戦では全てPK負けで敗退するなど全国への道は遠かったが、悔しい思いを胸に今年は一戦一戦、気を引き締めて勝ち上がってきた。迎えたこの決勝戦も、渡辺監督の「今年一番の大一番。必ず勝つんだ。(野洲を)突破するんだ」との激を受け、きっちり物にした。野洲を破っての選手権出場となるだけに、全国での躍進に期待も集まるが渡辺監督は「全国は8年ぶり。初出場みたいなもの。一戦一戦戦うだけです」といたって謙虚。しかし、「悔しい思いをした野洲の分まで勇気を持って頑張る」と強い意気込みを口にした。

(取材・文 森田将義)
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