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柏、1-1ドローで首位をキープ。最終節・浦和に勝てば自力Vも、名古屋・G大阪も可能性残す

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[11.26 J1第33節 柏1-1C大阪 柏]

 J1第33節の1日目が26日に各地で行われ、日立柏サッカー場では首位の柏レイソルと12位のセレッソ大阪が対戦した。勝てば優勝に大きく前進する柏は後半3分に先制を許したが、後半20分に追いついて1-1の引き分けに持ち込んだ。連勝は5でストップしたが、勝ち点を69に伸ばし、首位をキープした。柏は12月3日の最終節・浦和戦に勝てば自力Vとなるが、この日、2位の名古屋が勝って同68に、3位のG大阪も勝って同67にしたため、勝ち点2差の三つ巴の展開となった。

 柏はU-22日本代表でDF酒井宏樹が不在だった。システムは4-4-2を採用しGKは菅野孝憲、DFラインは右から増嶋竜也、パク・ドンヒョク、近藤直也、橋本和。ダブルボランチは栗澤僚一と大谷秀和が組み、2列目は右にレアンドロ・ドミンゲス、左はジョルジ・ワグネルが入った。2トップは工藤壮人と北嶋秀朗が組んだ。

 C大阪はU-22日本代表のMF扇原貴宏とMF山口螢が不在で、さらにDF丸橋祐介も累積警告で出場停止だった。システムはダイヤモンド型の4-4-2を採用。GKはキム・ジンヒョン、DFラインは右から酒本憲幸、茂庭照幸、上本大海、尾亦弘友希。中盤はマルチネスをワンボランチにし、右に倉田秋、左にキム・ボギョン、トップ下に清武弘嗣を据えた。2トップは播戸竜二と杉本健勇が組んだ。

 柏にとっては悲願の優勝へ負けられない一戦だった。勝てば、名古屋の結果次第で載冠が決まる状況でもあった。一方のC大阪は、退任が決まったクルピ監督を少しでも上の順位で送り出したい思いがあった。7月のC大阪のホームでの直接対戦では、C大阪が5-0大勝しており、立ち上がりはリズムをつかんだ。

 5試合ぶりに先発した播戸が前線を動き回り、開いたスペースを突いてチャンスを作る。前半11分には右サイドから酒本のクロスに反応してシュート。GK菅野にセーブされたが、リズムをもたらした。一方、柏は前線にうまくボールが収まらず、バイタルエリアをいい形で攻略できなかった。それでも前半前半15分、レアンドロのシュートの跳ね返りを増嶋がシュート。上に外れたが、少しずつ流れを掴んでいった。

 前半の途中からは、柏はレアンドロとワグネルを中心に、C大阪は清武とキムを軸に攻め合う展開となった。柏は前半30分に正面約25mの距離でFKを獲得し、ワグネルが直接狙ったが、壁に当ててしまった。同34分にはC大阪が反撃。PA左で清武、キム、倉田が細かいパス交換で崩しにかかった。シュートまでは行けなかったが、技術の高さを見せた。

 その後、共に持ち味を出して一進一退の攻防が続く。C大阪は前半37分、CKのこぼれ球から清武がシュートを放ったが、上に外れた。柏は同44分、レアンドロが直接FKでゴールを狙い、これは壁に当たったが、C大阪がクリアに失敗。ルーズボールを工藤がシュートしたが、枠を外した。前半は0-0のスコアレスで折り返した。

 後半、柏は北嶋に代えてFW田中順也を投入。C大阪は播戸に代えてMFファビオ・ロペスを送り出した。そんな中、後半3分にC大阪が先制点を奪った。左CKのチャンスを得ると、尾亦弘友希のキックを清武がニアで競り勝ち、ファーに流れたボールを上本大海が押し込んだ。上本の今季初ゴールが首位をいじめる一発となった。

 前半を終えた段階で2位の名古屋が山形に3-0、3位のG大阪が仙台に1-0とリードしていた。柏は絶対に負けられない展開のため、すぐさま攻撃の一手を打った。後半9分、CBのパクに代えてMF水野晃樹を投入。水野を右SBに入れ、増嶋をCBに回して攻勢をかけた。

 後半13分、柏は水野が右サイドを仕掛けてCKを獲得。ワグネルのキックに近藤が頭を合わせたが、GKキムの正面だった。この時間帯、柏が完全にリズムをつかむ。同19分、CKのこぼれ球から水野が強烈な右足ミドル。これはGKキムに弾かれた。同20分には、CKのクリアボールから田中順也が右足でシュート。右ポストに直撃し、会場にはため息が漏れたが、直後に司令塔が貴重な同点弾を決めた。

 後半20分、右サイドのスローインを増嶋がヘディングで中へ入れ、田中がダイレクトでPA右後方に落とす。これをレアンドロ・ドミンゲスが拾って左足を一閃。きっちりとゴール右下に突き刺して今季15得点目を決め、1-1の同点に導いた。柏はその1分後、最後の交代カードを切る。栗澤に代えてMF茨田陽生を入れた。

 柏が完全に主導権を奪い、逆転弾を狙って攻め込んだ。レアンドロの個人技、水野の突破を中心にチャンスを作る。C大阪は後半31分、足を痛めた尾亦に代えてDF藤本康太を投入した。柏は同32分、右クロスを中央で田中が落とし、最後はレアンドロが右足シュート。しかし、これは枠を捉えられなかった。

 C大阪は後半33分、最後の交代カードを切った。杉本に代えてMF村田和哉を投入。前線をファビオ・ロペスの1トップに変更した。その後も柏が主導権をにぎった。同35分には倉田のハンドでゴール正面約20mでFKを獲得。これはワグネルが左足で直接狙ったが、壁に当たった。

 終盤も柏がボールをつないで攻め込むが、C大阪も全員が体を張って守備をした。ロスタイムは4分。柏は猛攻を仕掛けた。50分には遠目の水野のFKにPA内左で橋本がヘディングシュート。しかし、左のサイドネットに当ててしまった。試合はそのまま1-1の引き分け。柏が勝ち点1差で何とか首位をキープした。2位の名古屋、3位のG大阪も勝利して勝ち点差が詰まったが、12月3日の最終節・浦和戦に勝利すれば、自力で初優勝が決まる。

(取材・文 近藤安弘)

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