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柏・水野が右SBで流れを変える。「おいしいところを持っていきたい」

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[11.26 J1第33節 柏1-1C大阪 柏]

 柏レイソルはC大阪に先制される苦しい展開だったが、MFレアンドロ・ドミンゲスのゴールで1-1の引き分けに終わった。負けていれば名古屋に抜かれて2位に後退し、自力Vが厳しくなっていただけに、貴重な勝ち点1をつかんだといえる。流れを変えたのは、本職ではない右SBで途中出場したMF水野晃樹だった。16日の天皇杯3回戦・甲府戦で、途中出場で試されていたが、リーグ戦では初めてのこと。だが、積極果敢なプレーを披露した。

 後半3分に先制された後の同9分にDFパク・ドンヒョクに代わって登場。右SBで先発していたDF増嶋竜也がCBに回り、攻撃的な布陣が完成した。元々は攻撃的サイドアタッカーの水野は、持ち味のドリブル突破と右足からのクロスでチャンスを作った。後半19分には得意の右足で約25mのミドルシュート。これはGKに阻まれたが、後半だけで10本のシュートを放つなど息を吹き返した柏の攻撃陣を盛り上げた。

「自分ではあまり納得していないですね。攻撃に重点をおくために自分がサイドバックに入った。でも、クロスの精度が良くなかった。得点につながるような良いボールを、あまり配球できなかった。途中から出る選手は、結果を出さないと次に繋がらない」。アシストもゴールもなかったことで自己採点は厳しかったが、水野が入ったあとに流れが変わったのは事実だ。

 FW田中順也は「コウキくんは1人で打開できる。(サポートしようと)寄っていかなくていい。1人で突っかけて、1人で打開できるので、FWとしてはやりやすかった」と“水野効果”を口にした。後半20分のMFレアンドロ・ドミンゲスの同点弾の際、田中はPA内右の深い位置に進入してボールを受け、レアンドロに落としたが、水野が入ったことで、よりゴール前の仕事に集中できたからこそと言えるかもしれない。他の攻撃陣も役割がより、はっきりした。

 課題とされる守備面でも奮闘した。「後ろにいたマス(増嶋)に声をかけてくれと言った。あいつがいろいろ気を使ってやってくれた。守りもしっかりやった? キム・ボギョンや清武が仕掛けてきて、守備力0の俺には厳しかったけど、失点を防げて良かった」と水野は照れ笑いを浮かべた。

 12月3日の最終節・浦和戦(埼玉ス)にはU-22日本代表で抜けているDF酒井宏樹が戻ってくるため、右SBでの起用される可能性は低い。だが、勝たなければいけない一戦のため、より攻撃的な位置で“スーパーサブ”として起用される可能性が高い。

 水野は「おいしいところを持っていきたいね。まだ得点がないので、得点を決めたいです。柏に来て1年半、何も結果というのを残せていないので、本当に最後に結果を残したい。このチームにいたんだ、という証を残せるように頑張りたい」と意気込んだ。近年、悔しい思いをしてきたが、すべての思いを最終戦にぶつける。

(取材・文 近藤安弘)

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