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6連勝でフィニッシュの名古屋、ピクシーは笑顔で「何の後悔もない」

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[12.3 J1第34節 新潟0-1名古屋 東北電ス]

 やることはやった。だからこそ悔いはなかった。勝ち点1差で連覇を逃した名古屋グランパスストイコビッチ監督は試合後の記者会見に穏やかな表情で臨み、時折笑顔も見せながら王者として戦ったシーズンを振り返った。

「今日の目的は勝つことだった。それが一番大事であり、その目的は達成した。強いグランパス、決定力を見せ、勝ち点3を取ることができた」

 勝ち点1差で追う首位・柏が浦和と引き分け以下に終われば、逆転優勝が決まっていた。しかし、結果は柏が3-1で勝利。「確かに難しい状況だった。浦和さんが、我々が思うようにはやってくれなかった。浦和さんはまだ目が覚めてなかったですね。最後まで目を覚ますことがなかったようです」と冗談交じりに話すと、「柏さんにおめでとうと言いたい」と、J1復帰1年目で初優勝を飾ったライバルチームを称えた。

 シーズン序盤はACLとの過密日程や相次ぐ故障者に悩まされ、思うように勝ち点を伸ばせなかった。それでも5月以降は9年ぶりとなる7連勝を含む16試合負けなし(11勝5分)を記録。7連勝を飾った8月13日の第21節・広島戦(3-0)終了後には今季初めて首位に立った。その後はG大阪に首位を明け渡し、終盤は柏がトップを走ったが、ラスト6試合を怒涛の6連勝。最終節まで逆転Vの可能性を残し、柏を猛追した。

「最後は6連勝した。それでも優勝できないということは、相手の方がうわてだったということ。我々はベストを尽くして最後まで戦った。柏は大きなサプライズだった。我々は何の後悔もしていない。強いサッカーを見せたという自負があるし、強いグランパスをこれからも続けていきたい」

 負けてなお強さを見せた名古屋。2位でリーグ戦を終えたが、まだシーズンは残っている。12月21日に行われる天皇杯4回戦ではホームの瑞穂陸上競技場に柏を迎え撃つ。「まだ終わっていない。天皇杯がある。そこで柏さんを待ち受けたい」。報道陣からの質問が終わったあと、最後に自ら切り出し、ニヤリと笑ったピクシー。新旧王者対決となる決戦へ、早くも照準を合わせていた。

(取材・文 西山紘平)

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