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名古屋はリーグ最少の5敗で準V、「一歩一歩成長している」

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[12.3 J1第34節 新潟0-1名古屋 東北電ス]

 相手を称えるしかなかった。連覇を逃した名古屋グランパスの選手たちは悔しさを押し殺しながらも、決して準優勝という結果に悲観することはなかった。昨季は23勝3分8敗の勝ち点72で優勝した。今季は21勝8分5敗の勝ち点71。最終的な勝ち点は1しか違わない。

「内容と結果がなかなかうまくリンクしないときもあるけど、ここ数試合は結果と内容が伴っていた。手応えもあるけど、手応えがあってもシーズンも終わりだから」。そう苦笑いしたGK楢崎正剛は「柏もがんばったということ。勝ち点は去年と1点しか変わらない」と自分に言い聞かせるように話した。

 昨季は54得点、37失点。今季は67得点、36失点。失点は昨季とほぼ変わらず、得点は13も増えた。MF小川佳純は「セットプレーでも点を取れるようになったし、外からだけでなく、中からも点を取れるようになった」と指摘。MF藤本淳吾、FW永井謙佑ら新加入選手の存在もあり、攻撃の幅が広がったのは間違いない。

 負け数も昨季の8から5に減った。5敗はG大阪と仙台の6敗を下回り、リーグ最少。一方で引き分けは3から8に増えた。柏がわずか3分(23勝8敗)だったことを考えると、勝ち切れる試合を取りこぼしたことが連覇を逃した要因にも見える。それでもDF田中マルクス闘莉王は「勝ち切れなかった試合もあるけど、負け試合を勝ち試合にしたゲームもあった」と言う。小川も「去年は連勝しても大敗する試合があった。今年は負けが少なくなって、引き分けは増えたけど、チームとしての波は少なくなった」と胸を張った。

「グランパスは一歩一歩成長している。優勝できれば最高だったけど、やるべきことはやった」と小川は力を込める。チームはまだ発展途上。近い将来にやってくる黄金時代へ、今季の準Vをさらなる成長への糧にするつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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