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A代表にJ1制覇…飛躍の1年となった田中&酒井、「もっともっと上を目指す」

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[12.3 J1第34節 浦和1-3柏 埼玉]

 まさに“シンデレラ・ボーイ”だ。大きく飛躍を遂げた1年になった。右SBとしてレギュラーをつかみ、リーグ戦27試合に出場したDF酒井宏樹と同30試合に出場し自己最多13得点を記録したFW田中順也。今季の柏の躍進は2人の“覚醒”も大きかった。

 酒井は「正直、感謝の気持ちですね。バラ(茨田)とか点を決めてくれた人に感謝の思いがあります。それと、この1年間、ほんと頑張ったなと思います。レイソルに関わる人たちを幸せにしたかったので、今日はそれができて本当に良かった」と語り、田中は「めっちゃ嬉しいですね。今年初めは優勝できるなんて少しも思っていなかった。上位を狙っていきたいという思いでやってきて、最高の結果に結びついて良かったです」と満面の笑みを浮かべた。

 2人は開幕前まで“J1未知数”だった。プロ4年目の酒井は、昨季J2で9試合を経験したが、J1は今季が初出場だった。プロ2年目の田中はルーキーイヤーの昨年はJ2で24試合6得点。順大時代の09年に特別指定選手としてJ1で9試合を経験しているが、こちらも経験値は少なかった。

 それが共にレギュラーを掴み、田中は8月のA代表候補合宿を経て、追加招集ながら9月にA代表に初選出。酒井はU-22日本代表でも不動の右SBとなり、こちらも8月のA代表候補合宿を経て、10月に追加招集ながらA代表に初選出された。チームでの活躍が飛躍を生んだ。サッカー人生の転機となるシーズンになった。

 酒井は今季を振り返り、「そうですね。いろんな人に支えられた1年でした。試合に出ていないと、自分のプレーを発揮できないし、アピールする場がない。それを与えてくれた監督に感謝したいです」。田中は「これを最低ラインにして、この先のキャリアで、もっともっと上を目指せるようにしたい」と宣言した。

 来季は共に、名実ともに柏の中心選手となり、そしてA代表に定着することが期待される。酒井はロンドン五輪出場を目指すU-23日本代表としての使命も背負う。2人ともサポーターの期待に応える自覚は十分だ。優勝に浮かれることなく、さっそく、さらなる高みを目指すことを宣言した。

 酒井は「まだまだ足りない所が山ほどある。これからもっともっと良いプレーをしたい」。田中は今季終盤に調子を落としたこともあり「1年間通して活躍できるような体を作りたい。今年で満足しないようにしたい」と言い切った。2人にとって、この1年は明るい将来への“ホップ”だったに過ぎない。さらにステップし、日本を代表する選手へとジャンプするつもりだ。

(取材・文 近藤安弘)

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