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[MOM514]旭川実MF石山卓哉(3年)_「自分は並」も「工夫」が生んだ北海道MVP

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.4 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 旭川実4-2聖和学園 西が丘]

「自分は並だなと思う」。自身の特長を尋ねられた旭川実高のMF石山卓哉主将(3年)は苦笑いしながら口にした。「特長と言えるものがない」。ただ右足首痛を抱えながらも根気強く相手を挟み込み、また危険な地域を献身的にカバー。縦横無尽にピッチを駆け回り、そして身体の強さ、展開力も示したMFの存在感は際立っていた。

 U-17北海道選抜に名を連ね、優勝したプリンスリーグ北海道ではMVPを獲得した。冷静にゲームを分析することのできる視点と運動量を持つMFは、総体予選を含めて北海道3冠を達成した旭川実の大黒柱だ。自身を「並」と評価するが、一方で「自分は能力がないから自分がどこで何をしないといけないか常に工夫している。それには自信がある」と明かす。特別な武器を持っていない。だからこそ、ポジショニング、動き出しの速さ、身体の寄せ方と工夫して戦う術にしている。要領のよさと頭の回転の速さ。富居徹雄監督の意を汲んで代弁できる存在は磐田U-18とのプレミアリーグ参入2回戦、そして全国高校選手権でもキーマンとなることは間違いない。

 道大会では札幌日大との初戦で決勝ゴールを決め、室蘭大谷との決勝では先制された直後に中盤から飛び出し右足シュートを叩き込んだ決定力も備えている。怖い存在だが、自身を決して過剰評価しない。勝利に大きく貢献していたこの日のパフォーマンスにも「ダメでした。もうちょっとやれた。平行パスとか多かったし、チャレンジできなかった」と納得せず。だからこそ、今後見せるプレーに期待が高まる。「並」の大黒柱がより高いレベルのプレーで旭川実に勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)


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