beacon

[クラブW杯]田中が“世界レベルの左足”で歴史的ゴール、「スゲー嬉しい。点を取って本当に楽しいなと感じた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.8 クラブW杯開幕戦 柏2-0オークランド 豊田ス]

 記念すべき柏レイソルのクラブW杯初ゴールを決めたのは、FW田中順也だった。前半37分、左サイドでDF橋本和とのパス交換からPA内左をドリブル突進し、あまり角度がないところから強烈な左足シュート。弾丸ライナーでゴールネットに突き刺し、貴重な先制点をもたらした。リーグ戦13得点と大きく飛躍した背番号「18」が、柏の歴史的勝利に大きく貢献した。

「シュートを最近入れてなかったので、入れたい気持ちがあった。いい形で自分で持って行って、角度はなかったけど、狙って良かったです。振り向いてからのシュートが入ると、自分のトレードマークじゃないけど、持ち味なので嬉しいです。リーグ戦で取れてなかった分、狙い続けていたのが、めぐりめぐってきた感じですね。でも、スゲー嬉しいです」

 世界の舞台で見せた、ワールドクラスと言える突破と左足だった。橋本からのリターンパスを受けた後、反転して前を向いてシュートまで行ったが、その鋭さで会場が沸いた。歓声に後押しされるように一気にトップスピードに乗り、相手DFを一瞬で置き去りにした。「相手がわりと体をぶつけてくるので、体で押し返したらターンできるなと思った」と相手の守備の特徴を早いうちに分析し、ゴールにつなげた。

 J1優勝を決めた3日の浦和戦に続いて公式戦2試合連続で先発を果たした。だが、リーグ戦では3試合連続無得点とあって、ゴールに飢えていた。そんな思いが届いた。大舞台で、それも記念ゴールを記録した。「先制点はチームとしてすごく大事。FWとしてそういうこだわりがある。緊張? 浦和戦のほうが重圧があった。ああいう難しいゲームを勝ち切ったことがいい方向に出ている。今日はフレッシュな気持ちで、楽しんで入れた。楽しみで、ワクワクしていた」。優勝争いという重圧から解放されたことで、持ち味の切れある動き、そして“宝刀”の左足が復活した。

「ここから先も、全部の経験が未知ですし、点を取って本当に楽しいなと感じたので、次も頑張りたい。もう、次もワクワクしますね」と田中は、次戦11日の準々決勝・北中米カリブ海代表のモンテレイ(メキシコ)戦への思いを明かした。相手はオークランド・シティよりも実力は上だが、勝つ自信はある。「守備も持ち味。うちは守備に回ったとしても崩れないメンタリティーがある。そこから逆に速いカウンターを仕掛けたい。ゴール? 頑張ります」と静かに闘士を燃やした。次も背番号「18」の左足に注目だ。

(取材・文 近藤安弘)

▼関連リンク
クラブワールドカップ2011特集

TOP