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[クラブW杯]守護神・菅野が“J2の経験”を活かしファインセーブを披露、「自分の仕事だけに集中した」

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[12.8 クラブW杯開幕戦 柏2-0オークランド 豊田ス]
 柏レイソルが緊張感のある開幕戦で完封スタートだ。相手のオークランド・シティ(ニュージーランド)には大柄な選手が多く、後半はハイボールやセットプレーで押し込まれる時間帯もあったが、近藤直也と増嶋竜也のCBコンビを中心としたDFラインが奮闘し2-0。中でも元日本代表GK菅野孝憲が危ない場面をファインセーブで切り抜け、チームを救った。
 特に決定的だったのは、後半終盤の2つのシュートだった。同34分、柏にとってPA左でのFKのピンチ。ニュージーランド代表で南アフリカW杯メンバーのMFデイブ・マリガンにゴール右上を突く強烈なシュートを打たれたが、片手で弾き出した。その1分後には、クロスボールを入れられ、競り合いから最後、こちらも同国代表として南アフリカW杯メンバーに選ばれているDFイバン・ビチェリッチにヘディングで押し込まれかけたが、間一髪で防いでみせた。
「セットプレーで点を取りに来ると監督から聞いていたので、セットプレーで仕事ができて良かったです。ああいう時間帯は1試合に1回はくるので、もっと安定した試合をしたかったですね。緊張? 自分としても、びっくりするくらい落ち着いていた。緊張よりも、日本を代表してサッカーができるということで、何かしら見ている人に力を与えられたらと思っていた」
 言葉通り、人々に勇気・元気を与えるプレーになった。何より、チームメートが勇気づけられた。前半は柏のペースだったため、菅野の仕事はそれほど多くはなかったが、後半は仕事量が一気に増えた。相手の得意とするハイボール攻撃が多くなったからだ。フィールドプレーヤーと比べ、攻めているときはプレーに関わる時間が極端に限られるGK。こういう展開だと集中を切らすGKもいるが、菅野は違った。
「去年J2の試合とかで経験していたので、自分の仕事だけに集中しようとした」
 昨年J2だった柏は、MFレアンドロ・ドミンゲスら豊富な戦力を武器に、圧倒的な強さでJ2優勝を果たした。完全にボールを支配し、決定的な枠内シュートをほとんど打たれない試合もあった。そんな中、菅野はとっさのピンチでも対処しようと、常に高い集中力を維持することを身に付けた。それがクラブ史上初のクラブW杯、それも開幕戦というプレッシャーのかかる中で発揮されたのだ。
「自分としては完封が目標でしたし、次につながる試合になったと思います。次戦? 自分たちのサッカーをしたいですね。結果を出して、見ている人に何かを感じてもらえたらと思います」と菅野は、観客・視聴者にプラスの影響を与えられるようなプレー、結果を残すことを誓った。守護神は次戦11日のモンテレイ(メキシコ)戦でも、ファンを喜ばせ、元気付ける仕事をするつもりだ。
(取材・文 近藤安弘)

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