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[クラブW杯]工藤が日本人最年少弾を記録、「Jリーグのレベルが高いということを全世界に知らしめたい」

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[12.8 クラブW杯開幕戦 柏2-0オークランド 豊田ス]

 “エキセントリック・ストライカー”が記録を作った。柏レイソルのFW工藤壮人が、クラブW杯の日本人最年少ゴールを決めた。これまでは2007年大会で、当時はG大阪だったMF山崎雅人が準決勝のマンチェスター・U戦で記録した27歳14日だったが、工藤が21歳216日に更新した。

 チームメイトのFW田中順也が前半37分に先制点を決め、24歳146日で最年少ゴール記録を更新したが、そのわずか3分後に工藤が塗り変えた。右サイドで得たFKのチャンス。MFレアンドロ・ドミンゲスのキックからDF酒井宏樹がヘディングシュート。これは惜しくも右ポストを叩いたが、跳ね返ったボールをDF橋本和がシュート。当たりそこねのボールは前方の工藤の元に届き、落ち着いて右足で押し込んだ。

 記念のゴールにもなったが、試合の結果を左右する一発にもなった。工藤は「初戦でゴールが絶対に欲しかった。混戦でうまくトラップでき、反転から押しこむことができた。僕自身の持ち味であるゴール前での泥臭さや嗅覚が出せた。前線で起点になるプレーもできた。普段通りのプレーが出来て自信になった」と笑顔で振り返った。

 柏は田中や工藤のほか、ベテランの北嶋秀朗、林陵平、澤昌克ら高いレベルでFWをこなせる選手がいるが、最近は工藤が完全にレギュラーをつかんでいる。ネルシーニョ監督は「われわれは先週の土曜日にJリーグを制してタイトルを獲得し、目標を達成することができた。その後は祝勝会とかさまざまな行事があり、1回しか練習ができなかった。だがそれを差し引いても、世界大会のデビュー戦にあたって、普段の内容を出すことができなかった」。後半は相手に押し込まれたため、指揮官は不満を漏らしたが、そういう試合の流れを考えると、工藤の2-0とする一発は本当に大きかった。

「日本の方々が(オークランド戦は)ある意味、勝って当然という目で見ていると感じていた。そういう中で2-0ですけど、しっかりと勝ち切れた。チームの力を見せつける上でも初戦が獲れたのは大きい。次の試合でも、Jリーグのレベルが高いということを全世界に知らしめるために、チャンピオンを目指してやっていきたい」と工藤は力強く言い切った。田中も含め、上り調子の若きストライカーたち。“ラッキボーイ”として柏をさらなるステージへと導く。

[写真]落ち着いてゴールに蹴り込んだFW工藤壮人。日本人最年少弾を記録した

(取材・文 近藤安弘)

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