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[大学選手権]鳥栖J1昇格貢献の兄たちと同じ世界へ!同大主将は勝負のインカレ

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[12.18 全日本大学選手権1回戦 札幌大1-3 同志社大 鴻巣]

 J2で10ゴールを挙げてサガン鳥栖のJ1昇格に大きく貢献したMF早坂良太。その実弟である同志社大CB早坂賢太(4年=中京大中京高)がまず全国初戦を突破した。本来は184cmの大型ボランチとして注目を集める存在だが、チームの守備のバランス向上のために関西学生1部リーグ戦残り5試合からCBを務める。この日はPKで1点こそ献上したものの、特に後半は全く決定機をつくらせずに相手攻撃陣を封じきった。

 元々国立大の静岡大からJFLのHonda FCを経てプロ入りした兄よりも先に注目を集めていたのは賢太の方。兄も絶賛していた技術で中京大中京高(愛知)時代からプロ入りが有力視されていた。持ち味は冷静に試合をコントロールすることのできる技術。「高校時代に絶対にミスを許されない、厳しい環境の中で育ててもらった。ボランチよりもミスの許されないCBですけれど、(武器は)どういう状況でも冷静にプレーできるところ」。技術を武器に最終ラインから攻撃をコントロールするほか、空中戦の強さ、部員約120人をまとめるキャプテンシーも魅力となっている。

 チームにとって9年ぶりのインカレは早坂自身の人生をかけた戦いだ。これまで鳥栖など4クラブに練習参加している早坂だが、まだ進路は未定。ただ「やるからにはプロ」とプロ入り以外は就職という決意をもってプレーしている。高校の同期であるU-22日本代表DF大岩一貴や先輩の清水FW伊藤翔、後輩のFW宮市亮の活躍は自身を奮い立たせる材料となっている。「いい刺激をもらっている。同じ舞台で試合をしたい」。大学進学後は気持ちの強さに欠けて公式戦出場まで2年かかって周囲に遅れをとったが、乗り越えたことでタフに成長することができた。

 兄からは昨日電話が入ったというが、プレッシャーを避けるためかインカレに関する話はゼロ。「頑張れとも言われなかったですね」と苦笑いしていた早坂だが、「普段関西に来ることの少ないスカウトの方にも見てもらうチャンス」という今大会の活躍、そして優勝でプロ入りへの道を切り拓く。

(取材・文 吉田太郎)
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