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[クラブW杯]メッシが魅せた世界No.1のテクニック、ペップ「レオはアーティスト」

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[12.18 クラブW杯決勝 サントス0-4バルセロナ 横浜]

 これが世界No.1プレイヤーのテクニックだ。6万8166人の大観衆の視線を独占し、スタジアムを熱狂と興奮に包み込んだ。2大会ぶり2度目の世界一に上り詰めたバルセロナ。大会MVPには、2年前と同じくFWメッシが輝いた。

「とてもうれしい。世界No.1になるのが目的だった。今はとにかくチームメイトと一緒に喜んでいる」

 南米王者の堅守をあっけなく切り裂いた。前半17分、先制点はメッシを起点に始まった。MFセスクに縦パスを入れると、一気にゴール前へ駆け上がる。セスクのワンタッチパスはわずかにズレたが、MFシャビが右足を高く上げてアウトサイドでトラップすると、PA内に走り込むメッシの動きを見逃さず、絶妙なスルーパスが通った。

 右足でトラップしたメッシは左足でもう一度コントロールし、前に出てきたGKの頭上を越す左足チップキック。無人のゴールに向かって必死のカバーに入ったDFロドリゴのクリアもあと一歩及ばず、ボールはゴールネットを揺らした。

「レオ(メッシ)はアーティストみたいだ。我々が頭に描くことをそのままピッチの上で表現してくれる」。グアルディオラ監督は賛辞を惜しまない。試合前は“メッシvsネイマール”というエース対決も注目を集めた。結果は明白だった。チームとしても、個人としても、バルセロナが、メッシが世界No.1であることに異論を唱える者はいないだろう。

 3-0で迎えた後半37分にはDFダニエウ・アウベスのラストパスに反応。PA内に走り込むと、軽やかなボールコントロールでGKをかわし、無人のゴールに流し込む。メッシの2得点目が、衝撃的なワンサイドゲームを締めくくった。

「2年前のクラブW杯決勝のエストゥディアンテス戦と同じようにゴールを決められてうれしい。でも、それよりうれしいのはチーム全体ですごくいいプレーができたこと。対戦相手がどこであろうと、自分たちの戦略は変わらない。できるだけボールを保持して、ピッチを支配することを目指している。今日もできるだけボールを持つように心がけた」

 UAEで開催された09年大会決勝。アルゼンチンのエストゥディアンテスと対戦したバルセロナは、1-1の延長後半5分にアウベスのクロスをメッシが胸で押し込み、劇的な逆転勝利で初のクラブ世界一に輝いた。日本開催だった06年大会は決勝でインテルナシオナル(ブラジル)に敗戦。今回の優勝はブラジル勢へのリベンジであり、日本開催では初のタイトル獲得でもあった。

「日本ではピッチの中でも外でも、温かくしてもらってとてもうれしい。是非また日本に戻ってきたいと思っている」

 取れるタイトルは取り尽くし、もはや世界に敵なしの強さを見せるバルセロナと、そんな世界最強チームを引っ張るメッシ。その貪欲さはとどまるところもなく、来年のクラブW杯で再び日本に凱旋するつもりでいる。

(取材・文 西山紘平)

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