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永井2発!!ケネディ&闘莉王が不在も、名古屋が“世界4位”の柏をPK戦の末9対8で下す!

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[12.21 天皇杯4回戦 名古屋3-3(PK9-8)柏 瑞穂陸]

 クラブW杯のため延期されていた天皇杯4回戦の名古屋グランパス柏レイソルが21日、名古屋市の瑞穂陸上競技場で行われた。柏が2点を先行したが、名古屋は後半開始から投入したFW永井謙佑の活躍で2-2と追いつき、延長戦となった。そこでも共にゴールを決めて3-3となりPK戦に突入。10人目までもつれた中、先行の柏はGK菅野孝憲が失敗。その後、名古屋はMFダニルソンが成功させてPK戦9-8で勝利した。名古屋は24日の準々決勝で横浜FMとホームの瑞穂陸上競技場で対戦する。

 エースFWケネディ、守備の要のDF田中マルクス闘莉王が不在だった名古屋。前半だけの内容を見れば、完全に負け試合だったが、後半開始から途中出場したFW永井謙佑が救った。「まずは追いつこうと。そして、勝つことだけを考えてピッチに入った」という快足ストライカーが獅子奮迅の活躍を見せた。名古屋は前半はシュート0本で、完全に柏に支配されていたが、永井の登場で形成が逆転した。そして0-2の後半32分だった。永井は快足を活かしたドリブルからPA正面で思い切って右足を一閃。豪快にゴールネットに突き刺し、1点差に詰め寄った。

 これで名古屋は完全にリズムをつかむ。永井の出場までは、足元中心のパス回しで柏守備陣に潰されたが、永井が左右のスペースに走り込み、MF藤本淳吾らがシンプルにパスを入れてダイナミックな攻撃ができるようになった。そして後半43分、名古屋が同点に追いついた。左サイドのスローインで、MF三都主アレサンドロが得意のロングスロー。これがゴール前にこぼれ、最後はDF増川隆洋が左足で押し込んで同点に追いついた。

 2-2で迎えた延長戦でも、永井が名古屋の攻撃を引っ張った。延長前半6分、ついに逆転弾を決める。MF藤本淳吾の縦パスにハーフライン付近から抜け出すと、DF増嶋竜也を振り切り、飛び出したGK菅野孝憲をあざ笑うかのようなループシュートで3-2の逆転に導いた。その後、延長後半10分にDF田中隼磨がPA内でFW工藤壮人を倒して与えたPKをMFレアンドロ・ドミンゲスに決められ3-3と追いつかれ、PK戦に突入した。

 10人目までもつれたPK戦では、先攻の柏の6人目だった工藤が失敗。何かのめぐり合わせか、名古屋の6番手は永井で、決めれば勝利決定という“おいしい”場面だったが、永井のキックはGK菅野にセーブされた。その後、柏は菅野、名古屋は楢崎正剛とGKまでキッカーを務めるほどもつれた。迎えた10人目、柏はその菅野がクロスバーに当てて失敗。後攻の名古屋は足をつらせていたダニルソンがきっちりと決め、9-8で準々決勝進出を決めた。

 PK戦は悔しい結果に終わったが、まさに永井が一人で白星に導いたといえる内容だった。2得点を決めたヒーローは試合後のインタビューで「ほんと、勝ててよかったです。ゴールは、うまく裏に抜けて決めることができた。この勢いで、優勝を目指して頑張りたい」と意気込みを語った。今季、名古屋はリーグ戦は2位に終わり、ナビスコ杯は獲れなかった。タイトルは富士ゼロックススーパー杯だけ。“世界4位”の柏を下した勢いで天皇杯を獲得し、優勝の美を飾りたい。


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