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[大学選手権]3位に終わった中京大、試合後のロッカールームで指揮官からまさかの報告

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[12.25 全日本大学選手権準決勝 専修大2-0中京大 西が丘]

 中京大は2年連続のファイナリストになることはできず、準決勝で専修大に0-2で敗れた。試合後、選手たちを待っていたのは西ヶ谷隆之監督からの衝撃的な報告だった。

 自らが今季限りで退任することを試合後のミーティングで報告。「監督が代わってもやることは変わらないから、これまでと同じようにやっていってほしい。1月5日の決勝まで一緒にやりたかったけど、それはしょうがない。きょうの試合では、みんな本当によく頑張ったと思う」と涙ながらに話した。

 まさかの出来事に選手たちは呆然。ロッカールームから出てくると「もっと早く言って欲しかった。西ヶ谷さんと優勝したかった」。「もっと早く言ってくれたら、もっと頑張れたのに……」と複雑な思いを口にしていた。

 西ヶ谷監督が就任してからの2年間。チームは全国大会で結果を残し続けてきた。10年度には総理大臣杯全日本大学トーナメント、全日本大学選手権で準優勝。当時は「シルバーコレクターになっちゃったよ」と冗談交じりに話していたが、大学の2大大会連続でファイナル進出という快挙を成し遂げた。そして今季の全日本大学選手権では、2年連続の4強入り。悔しくも決勝進出はならなかったが、堂々の結果を残した。今後はアルビレックス新潟のコーチとなる予定だ。

 試合後、キャプテンのDF熊澤圭祐(4年=中京大附中京高)は「西ヶ谷さんが来てからの2年間でチームの意識を変えてくれて、雰囲気も変えてくれた。僕自身も本当にいい指導者にめぐり合えた」と指揮官との2年間を振り返った。“やんちゃ軍団”だった中京大が様々な戦術を駆使する全国屈指の強豪となったのは、西ヶ谷監督によるものが大きい。

 指揮官は試合後、ダウンをする選手たちを横目に「2年連続でベスト4に進出するという、こういう成績を残せたことは素晴らしい。選手たちは不完全燃焼だと言うかもしれないが、よく頑張ってくれた」と微笑んでいた。

(取材・文 片岡涼)
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