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C大阪はクルピ監督の有終の美を飾れず、F東京に零封負け

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[12.29 天皇杯準決勝 F東京1-0C大阪 長居]

 指揮官の有終の美を飾れず……。第91回天皇杯全日本サッカー選手権は29日、各地で準決勝の2試合を行った。セレッソ大阪はF東京に0-1で敗れ、決勝進出はならず。幾度も決定機をつくったが、相手GKの好セーブもあり、1点が遠かった。天皇杯で優勝すれば、2年連続でのACL出場権を獲得することができたが、それは叶わず。元日決勝を前に、準決勝で姿を消した。

 今季限りでの退任が決まっているレヴィー・クルピ監督と元日まで戦いたかったが、チームは準決勝で敗退した。試合後、指揮官は「本当に結果としては、残念な非常に辛い結果となってしまった」と話すと、「最後の試合になってしまって、そこで勝利をサポーターのみなさんにプレゼントすることができなかったことは本当に残念。しかし日本での、この5年間というのは、私には絶対に忘れられない、大切なものになったと思う」と話した。

 序盤はF東京に押し込まれる場面が続いたが、徐々にC大阪の攻撃陣が目を覚ます。MFキム・ボギョンらを中心にチャンスをつくった。前半42分には右サイドから攻め上がったDF酒本憲幸が相手と競り合い、右CKを獲得。キム・ボギョンの蹴り込んだボールは惜しくも、ポスト左へ外れた。その後もサイドから崩しにかかるが1点が遠く。スコアレスで前半を終えた。

 後半開始と同時にFW杉本健勇に代えて、FW小松塁を投入。後半17分には、MF扇原貴宏に代えて、MF村田和哉をピッチへ送った。天皇杯・準々決勝の清水戦でもアシストを決めた村田がドリブルで切れ込むも、なかなかシュートまでは持ち込めない。すると後半32分、PA手前ゴール正面でFWルーカスにボールキープされると、最後は走り込んだMF谷澤達也にシュートを決められてしまった。

 なんとか追いつこうと後半36分にはMF山口螢に代えて、FW播戸竜二を投入。キム・ボギョンとMF倉田秋をボランチにし、前線に枚数をかけると必死にゴールをめざす。しかし、この日は1点が遠い。0-1のままに試合は終了し、C大阪の敗退が決まった。

 5年間指揮を執ったクルピ監督にとっては、C大阪での最終戦となってしまった。日本代表MF香川真司(ドルトムント)やMF乾貴士(ボーフム)を育てた指揮官は「セレッソにおいて私が意識したことは、『攻める』という、『チャレンジする』というメンタリティを植えつけること。それから、若い選手をどんどん起用していくということ。この二つはチームに残すことができたのではないかと思う」と5年間を振り返り、「特にここ最近、2年ぐらいは、若い選手が実力でレギュラーを勝ちとれるようになってきたと思うし、それは間違いなく、日本のサッカー界の将来につながるものではないかと思う」とキッパリ話していた。


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